研究課題/領域番号 |
16H02016
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
中西 訓嗣 神戸大学, 経済学研究科, 教授 (20237324)
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研究分担者 |
趙 来勲 神戸大学, 経済経営研究所, 教授 (70261394)
胡 云芳 神戸大学, 経済学研究科, 教授 (30379466)
上東 貴志 神戸大学, 経済経営研究所, 教授 (30324908)
土居 潤子 関西大学, 経済学部, 教授 (00367947)
岩佐 和道 神戸大学, 経済経営研究所, 准教授 (00534596)
橋本 賢一 神戸大学, 経済学研究科, 准教授 (70403219)
市野 泰和 甲南大学, 経済学部, 教授 (50280706)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | タイムゾーン / タスク貿易 / 動学分析 / 教育選択 / 人的資本 / 人口動態 / 内生的成長 / 貿易政策 |
研究実績の概要 |
グループA(静学的貿易理論の拡張):(a)連続的に差別化された財の範囲を企業のタスクと捉え,それを内生的に決定するメカニズムを組み込んだ貿易モデルを構築し,モデルの基本動作を確認した。(b)貿易政策に関する一般均衡分析とゲーム理論分析という2つの異なる枠組みにおける「現状(status quo)」の役割について批判的に検討し,貿易政策の理論分析から導かれる含意についての論点整理を行った。(c)消費における文化的多様性を許容するコスモポリタン的態度と伝統を重んじる態度という2つの異なる消費態度を組み込んだ貿易モデルを構築し,モデルの基本動作を確認した。 グループB(基礎的動学分析ツールの開発):(a)所得の不平等と経済主体の忍耐性(patience)との相互作用を扱える動学分析モデルを構築した。 グループC(動学分析ツールの応用面への実装):(a)財・サービスに関わる実物部門の自由化と金融部門の自由化の両方を取り扱える動学分析モデルを構築し,財部門のみの単独自由化シナリオと両部門の同時自由化シナリオという2つの異なるシナリオの下での発展途上国のキャッチアップ可能性について分析した。(b)内生的な人口動態と教育による人的資本の蓄積を組み込んだ経済成長モデルを構築した。(c)労働市場における摩擦と失業および資産バブルを組み込んだ内生的成長モデルを構築した。 国内外の研究ネットワークの構築:(a)日本国内をはじめ,米国,カナダ,中国,台湾,シンガポール,ドイツ等より多数の研究者を神戸大学に招聘し,4回の国際ワークショップを実施した(2016/07/01, 2016/07/22, 2016/12/20, 2017/03/14)。(b)米国University of Washingtonその他の研究機関と共同して国際カンファレンスを実施した(2017/03/18-19)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定に沿って,学会・セミナー等を通じてグループA,グループB,およびグループCそれぞれのテーマに沿った研究成果を着実に発表してきている。プロジェクト開始初年度であるため学術誌での採択に至ったものは少数であるが,DP・WPとして準備してきた多数の論文を内外の査読付き学術誌に投稿し,審査を受けているところである。また,本プロジェクトの研究テーマに関する研究者の招聘,共同論文の作成や研究集会・アドバイザリー等を通じて,国内外の協力者との研究ネットワークの構築も順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
1.各個別テーマについて研究代表者・研究分担者および連携研究者は,日常的には個人的な直接会合あるいは電子メールの交換を通じて研究討議を行う。また,2ヶ月に1度程度の頻度で定期的にメンバーの会合を兼ねた研究会を開催して,個々の研究の進捗状況をメンバー間で共有する。 2.ある程度形のまとまった研究については,海外・国内のセミナー等で報告を行い,多くの外部研究者による批判・コメントを受けて,論文の改良に取り組む。 3.本研究の関連領域で活躍している海外・国内の専門家・研究者を招聘して,少なくとも2回のワークショップを開催する。最新知識を得るとともに,共同研究拡大の契機とする。 4.現地聞き取り調査の準備を進め,国際的な生産拠点再配置を積極的に行っている企業とのアポイントメントを取り付け,実際の聞き取り調査に取り掛かる。
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