研究課題/領域番号 |
16H02049
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研究機関 | 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所) |
研究代表者 |
藤原 佳典 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究部長 (50332367)
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研究分担者 |
南 潮 鳥取短期大学, その他部局等, 助教 (20775829)
小池 高史 九州産業大学, 国際文化学部, 講師 (00707929)
稲葉 陽二 日本大学, 法学部, 教授 (30366520)
長田 久雄 桜美林大学, 自然科学系, 教授 (60150877)
石橋 智昭 公益財団法人ダイヤ高齢社会研究財団, ダイヤ高齢社会研究財団(研究部), 主席研究員 (10407108)
塚本 成美 城西大学, 経営学部, 教授 (10227374)
渡辺 修一郎 桜美林大学, 自然科学系, 教授 (20230964)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 高齢者福祉 / 高齢者就業 / 社会参加 |
研究実績の概要 |
研究1については、首都圏5地域における高齢者の就業状況を含む郵送調査のデータベースを作成し、就業状況と他の社会参加活動の重複・移行状況の把握、並びに諸変数との関連の解析を継続している。研究2は本年度は計画なし。 研究3については、2018年1月から3月にかけて、雇用者の立場から高齢者雇用の実態と意向を把握すべく、都内の企業および保育・介護事業所を対象とした高齢者雇用の実態調査を実施した。このうち一般企業については、公益財団法人東京しごと財団が保有するリストに記載されている4822社より無作為に抽出した企業(3000社)を、保育・介護事業所については都社会福祉協議会に登録している事業所(2536件)を調査対象とし、781の企業・事業所(回収率14.1%)から回答を得た。その結果、回答した企業・事業所の半数が55歳~65歳の、2割が66歳以上の新規採用を行っていることや、中高齢者の採用に積極的な企業や事業所は応募者の専門性や技術力に期待し、人材不足を補う即戦力としての登用を考える傾向がみられた。調査結果については現在も、更に詳細な解析を進めている。 研究4については、昨年度より継続している社会福祉法人江東園におけるオレンジカフェにおける取り組みの観察に加えて、東京都大田区内の多目的施設シニアステーション糀谷(以下、SST糀谷)における就労支援を含む高齢者の社会活動支援の取り組みについても参与観察の準備を開始した。本年度は就労を含む様々な相談窓口のプラットフォームづくりを目指すSST糀谷の職員や関係スタッフへのヒアリングを行い、上手く就業に結び付いた例や、ボランティア等就労以外の活動へと繋げた例など広く情報を収集・整理し、中間支援組織としての就労支援のより良い在り方について検討する。 研究成果はこれまでも随時学会発表や書籍などの形で公表してきたが、本年度もこれらの取り組みを継続する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
概ね当初の計画に沿って調査研究を実施している。 ただし、1年目の大規模郵送調査および2年目の企業調査については、大まかな結果の整理(結果の単純集計など)は行っているものの、より深く掘り下げた分析が必要である。この点については平成30年度の継続課題とする。また、研究計画時より調査対象者および参与観察対象が一部変更・追加されているが、研究計画時と同等のサンプルサイズの確保、あるいは同じ内容での参与観察の実施に努めている。 ジョブカフェについては、江東園での取り組みが、会場やスケジュールなどの関係でやや遅れている。これを補完するために大田区内の施設でも参与観察の準備を始めた。
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今後の研究の推進方策 |
平成30年度は、1年目に実施した調査の追跡調査(郵送および健康調査)と、ジョブカフェでの参与観察が主な研究内容となる。 郵送調査・健康調査ともおおむね順調に実施準備が進んでいる。調査実施後は、結果の整理や分析を行い、シームレスな社会参加が継続/脱落(孤立化)する予測因子や、就業を継続する高齢者の特徴について検討する。 またジョブカフェでの参与観察については、オレンジカフェやSST糀谷において運営方法やスタッフの役割、来所者の生活状況、来所動機、社会参加活動の状況などに焦点を当てた調査を実施する。
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