研究課題
前年度までに確立した複数の高次記憶課題のうち、特に時間記憶課題と順序記憶課題を中心に訓練を進めた。その結果、課題の難易度を操作することで、最終段階で約70%の正反応率となるように訓練することができ、正解時と誤反応時の比較が可能となった。次にこれら2つを含む多様な高次記憶課題を行っているラットから多数のニューロン活動を同時記録し解析した。特殊電極と小型マイクロドライブを改良することで、複数部位のより多くのニューロンから安定した活動を長時間にわたり記録することが出来た。またこれまでに確立したデータ解析法の精度と処理速度を向上させたことで、多数ニューロン間の機能的結合の表示も含め、ニューロン集団の振る舞いを詳細に検出することが出来た。これまでにわかったことは、高次記憶を活用する際に異なるニューロン集団が働くこと、特に複数部位間の相互作用が重要となること、ルールスイッチングという高次記憶の活用に海馬のセル・アセンブリが関わること、異種感覚統合に基づく記憶の活用に視覚連合野のニューロン集団が関わること、報酬と罰双方の記憶に基づき行動を決定する際に前頭連合野内のニューロン集団が小部位毎に異なる働きをしていること、それら小部位の相互作用で行動が決定されることなどであり、それぞれ論文にまとめ国際誌に掲載した。またオプトジェネティクス(光遺伝学)の方法についても、新規のウイルスベクターを用いることで改良し確立することができた。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2020 2019 その他
すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件、 オープンアクセス 5件) 学会発表 (14件) (うち国際学会 6件) 備考 (1件)
Behavioural Brain Research
巻: 382 ページ: 112478~112478
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Psychopharmacology
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doi.org/10.1016/j.neurroscience.2019.05.053
https://www1.doshisha.ac.jp/~ysakurai/