研究課題
2018年度は、π共役系有機分子および高分子からマイクロ構造体の自己形成、およびそれらの配向制御に関して研究を進めた。また、得られたマイクロマイクロ構造体からのレーザー発振特性を評価した。炭素架橋フェニレンビニレン(COPV)の自己組織化により形成するマイクロ結晶は、発光効率が高く、光を効率的に結晶内部に閉じ込めることから、WGMレーザー発振することを見出した。また、エネルギー供与性および受容性のCOPVを混合することで共結晶化を行い、結晶内部でのエネルギー移動とレーザー発振の関連性について明らかにした。また、金属配位性高分子と希土類悪態の複合による効率的なレーザー発振材料の創成、電子供与性ポリマーと受容性分子のバルクへテロ接合マイクロ球体によるホール輸送特性の向上を見出した。また、基板表面での自己組織化により、半球体の形成とアレイ化に成功した。発光性高分子の合成に関しては、不活性ガス雰囲気を使わなくても効率よく直接的アリール化重合が進行する合成技術を開発した。これにより、発光材料として機能する高分子半導体を大気下での実験操作で簡単に合成できる手法を提供できた。また、芳香族モノマーとジビニルモノマーの脱水素型クロスカップリング反応である直接的アルケニル化反応を効率化することにより、ポリアリーレンビニレン型高分子半導体の合成技術を確立した。発光性錯体に関しては、m-フェニレンリンカーで連結した柔軟な構造をもつ大環状ジピリン四量体および五量体とそのホウ素錯体を合成し、それらのもつ特異な構造を明らかにした。また、合成したホウ素錯体が高い発光性を示すことや、五量体では、二分子のジブチルアンモニウムを段階的に認識することを見いだした。
1: 当初の計画以上に進展している
基板表面での自己組織化による球体の形成と、親水疎水パターン表面を利用したマイクロ構造体の大面積アレイ化は、当初予想していた以上の結果を得ることができた。光異性化分子を用いることで、アレイに文字や画像をかき込み/消去が可能となった(現在論文投稿中)。現在、様々な発光性高分子や有機分子を用いた実験を進めている。
上記の、親水疎水パターン表面を利用したマイクロ構造体の大面積アレイ化について、現在様々な発光性高分子や有機分子を用いた実験を進めている。それらを用いた書き込み/消去が可能な光メモリーデバイスの構築を進めている。材料合成に関しては、上記の合成技術をさらに効率化して汎用性を高めるとともに、高機能な光機能性高分子の設計・合成を遂行する。また、大環状ジピリン四量体および五量体と他の典型元素との錯形成を利用して、新規な発光特性や分子認識能などの機能をもつ新規な分子群の構築を行い、これを基盤とする発光性材料への展開を試みる。
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すべて 国際共同研究 (3件) 雑誌論文 (25件) (うち国際共著 4件、 査読あり 25件) 学会発表 (121件) (うち国際学会 32件、 招待講演 14件) 備考 (3件) 産業財産権 (3件) 学会・シンポジウム開催 (3件)
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