研究課題
既存の超低温・磁場印加型4端子プローブ装置にSQUID機構を組み込み、電気伝導測定と磁気測定を超高真空下で同時に行うことの出来る装置へと拡張することを目的とする。これまでに装置設計のため、磁束分布シミュレーションを行い、測定されるシグナルおよび形状誤差から来るオフセットを見積もった。計算結果から形状誤差のオフセットを正確に除去する必要があることが分かった。オフセットを除去する手法として、超伝導体の反磁性を利用してピックアップコイルに直接オフセット分の逆磁場を印加して打ち消す手法が知られており、この手法であればシグナル/オフセット比を調整することが出来るため、我々も同様の機構を導入することとした。当初想定していた超伝導量子干渉計 (SQUID)のみ使用した磁気測定システムではオフセット調節に必要なダイナミックレンジが足りないため、Hall素子との併用を考案・設計した。その後、SQUIDおよびHall素子の極低温下(~4.2 K)での動作テストと磁気測定システム(オフセット調節機構・磁気シールド・ピックアップコイル用ボビン・シグナルケーブル等)の製作を完了した。さらに、作製した磁気測定システムを超低温・磁場印加型4端子プローブ装置に導入し、測定を行った。現在、オフセット調節機構の動作テストを行い、さらにNbTiやPbの薄膜(バルク超伝導体)を試料として用い、温度および磁場をそれぞれ変化させることで臨界温度・臨界磁場での超伝導転移の観測を行っている。今後、上記の実験により磁気測定システムが運用可能であることを確認した後に、2次元超伝導試料を作製し、in-situで磁気測定および電気伝導測定を行う。
3: やや遅れている
SQUIDで測定できる磁束量のダイナミックレンジが極めて狭いため、オフセット磁束をキャンセルする精度を極めて高くする必要があり、その実現に手こずっている。SQUIDとともにホール効果素子による磁場測定を併用することによって、この高精度でのキャンセルを実現できると考えている。
オフセット磁束を除去する手法として、超伝導体の反磁性を利用してピックアップコイルに直接オフセット分の逆磁場を印加して打ち消す手法が知られており、この手法であればシグナル/オフセット比を調整することが出来るため、我々も同様の機構を導入することとした。当初想定していた超伝導量子干渉計 (SQUID)のみ使用した磁気測定システムではオフセット調節に必要なダイナミックレンジが足りないため、Hall素子との併用を考案・設計して実験を継続している。
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