研究課題
数値解析に基づく災害リスク評価の精度向上を意図して、「過去に大きな荷重履歴や経年劣化に曝された構造物が、今後の地震荷重などの負荷によりどのような過程を経て耐荷力を失って崩壊に至るのか、そして崩壊後の構造物が他の構造物に対する外力源としてどのように振る舞うのか」という問いに答えうる数値解析手法を構築した.包含される一連の現象を精緻にかつ連続的に再現するために、災害ハザードに曝された構造物の崩壊過程を3 段階(ステージ)に分け、運動学的に矛盾のないよう支配方程式レベルから再定式化することで各ステージの現象に実績のある離散化解析手法を改良し、それらをシームレスに繋いだマルチステージ破壊シミュレーション手法を提案した.具体的には、次のようなマルチステージ破壊現象を数値的に再現可能なシミュレーション手法を構築するための定式化とプログラム実装を終えることができた。(1) ミクロき裂が強度・剛性を低下させ、メソき裂に成長する現象(2) 構造的に安定な静的平衡状態から不安定・運動状態へ移行する現象(3) 部分的崩壊した構造物の大変位・大回転運動が発展し、全体的な崩壊に至る過程と終局状態これらを矛盾なく再現することを意図して、それぞれ(A) 連続体と不連続変形の力学の融合と(B)静力学と動力学の融合のために、(a) 共回転定式化による有限変位・回転問題と微小変形材料モデルとの矛盾のない関係づけ、(b) 潜在的き裂面を初期状態で弾性的に結合され、かつき裂発生条件により分断されるようなモデルの実装、(c) き裂生成後にブロック状の物体が動的運動を始める際の時間積分法、(d) 自由に運動を始めた物体が別のブロックあるいは他の物体との接触・摩擦を繰り返す際の取り扱い方、などの理論と技術の構築を行った。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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