研究課題/領域番号 |
16H02145
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
大槻 知忠 京都大学, 数理解析研究所, 教授 (50223871)
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研究分担者 |
金信 泰造 大阪市立大学, 大学院理学研究科, 教授 (00152819)
伊藤 哲也 京都大学, 理学研究科, 准教授 (00710790)
谷山 公規 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (10247207)
藤原 耕二 京都大学, 理学研究科, 教授 (60229078)
玉木 大 信州大学, 学術研究院理学系, 教授 (10252058)
山下 靖 奈良女子大学, 自然科学系, 教授 (70239987)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 結び目 / 3次元多様体 / 不変量 |
研究実績の概要 |
結び目のKashaev不変量と双曲体積を関連づける体積予想は、量子トポロジーと双曲幾何を結びつける懸案の予想であり、最近15年間世界的にこの分野の中心的な話題となってきた。本研究の目標は、体積予想を多くの結び目について解決し、Kashaev不変量の漸近展開として得られるべき級数を新しい結び目不変量として研究することである。これにより、量子トポロジーと双曲幾何を融合する新しい研究テーマが創出されることが期待される。また、3次元多様体の量子不変量の漸近展開に双曲体積が現れることを主張する「3次元多様体の体積予想」も近年定式化され、これについての研究もすすめた。とくに、漸近展開の準古典極限の項にはReidemeister torionが現れることが観察され、いくつかの例に対してそれを証明した。 また、国際会議「East Asian Conference on Geometric Topology」と、研究集会「Intelligence of Low-dimensional Topology」「結び目の数理」「トポロジーシンポジウム」「トポロジー新人セミナー」「Topology and Geometry of Low-dimensional Manifolds」「トポロジーとコンピュータ」「東北結び目セミナー」を開催した。これらの国際会議と研究集会では、国内外の研究者による活発な研究交流が行われ、十分な成果を挙げた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究代表者の大槻は研究集会「Intelligence of Low-dimensional Topology」を2018年5月に京都大学数理解析研究所において開催した。研究分担者の谷山公規氏は研究集会「結び目の数理」を2018年12月に早稲田大学において開催した。研究分担者の玉木大氏は「トポロジーシンポジウム」を2018年8月に信州大学において開催した。連携研究者の安部哲也氏は研究集会「トポロジー新人セミナー」を2018年8月に長野県の宿泊施設において合宿型セミナーとして開催した。研究分担者の山下靖氏は研究集会「Topology and geometry of low-dimensional manifolds」と「トポロジーとコンピュータ」を2018年10月に奈良女子大学において開催した。連携研究者の山口祥司氏は2018年10月に研究集会「東北結び目セミナー」を秋田において開催した。また、研究代表者の大槻は、主催者の代表として国際会議「East Asian Conference on Geometric Topology」を2020年2月に京都大学数理解析研究所において開催した。 3次元多様体の量子不変量の漸近展開に双曲体積が現れることを主張する「3次元多様体の体積予想」が近年定式化されており、8の字結び目を整数係数手術して得られる3次元双曲多様体に対してこの予想が成立することを筆者は証明して、論文が学術誌から出版された。また、漸近展開の準古典極限の項にはReidemeister torionが現れることが観察され、いくつかの例に対して筆者はそれを証明して、論文が学術誌から出版された。
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今後の研究の推進方策 |
結び目のKashaev不変量の体積予想と、3次元双曲多様体の量子不変量の体積予想について、研究をすすめる。この予想の数理物理的背景は、SL(2,C) Chern-Simons 理論であり、数理物理的には、量子不変量を与える経路積分に対して、SL(2,C)接続の空間の中で、形式的に鞍点法を適用することにより、体積予想が導出される。このことは、体積予想の漸近展開の高次の項に未知の不変量が現われることを示唆しており、これについて研究をすすめる。 また、国際会議「East Asian Conference on Geometric Topology」を2020年度に、東京大学において開催する。また、2020年度に、研究集会「Intelligence of Low-dimensional Topology」「結び目の数理」「トポロジーシンポジウム」「トポロジー新人セミナー」「Topology and geometry of low-dimensional manifolds」「トポロジーとコンピュータ」「東北結び目セミナー」を開催する。
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