研究課題
我々が世界に先駆けて開発をおこなった電子飛跡の追跡が可能で、高速のSi-CMOSハイブリッド素子、およびそれを用いたSi/CdTeコンプトンカメラの評価実験を続けた。特に、ガンマ線の検出器の散乱方向に対する電子飛跡の評価を行い、数100 keVの低エネルギーガンマ線に対する応答の評価実験を続けた。評価のための長時間にわたるデータの取得を行った。今後大規模化をはかるためには従来の0.75mm厚のCdTeセンサーを厚くし,2mm厚としたものを用いることが有効である。また、CdTe両面ストリップ検出器をより容易に製作するために、電極や実装方法の検討を行ない、従来のスタッドバンプに変わる方法を見出すことに成功した。特に,高精度のキャリブレーションの手法や3次元的に分布する線源などの解析技法の研究を進めるためにモンテカルロシミュレーションコードの開発を行った。コンプトンカメラの中でのガンマ線多重反応,偏光観測などについて理論的研究を行い、論文発表をおこなった。CdTe両面ストリップの陽極、陰極の信号を解析し、反応深さを定量的に補正する方法を見出し、国際会議にて発表した。ほか、CdTeイメージング検出器の応答に関する様々な研究を進めた。Si/CdTeコンプトンカメラを大気球や超小型衛星に搭載し,長時間フライトを行う実験のための初期検討を開始し、欧米の研究機関を訪問して、具体的な検討作業を行った。超新星残骸からのX線 ,ガンマ線放射の研究,ブラックホールからの核ガンマ線のフラックスの計算、ガンマ線連星系における磁場のエネルギー解放とMeVガンマ線放射の関係など、将来のMeVガンマ線天文学に向けた研究を行うことができた。また、Si/CdTeコンプトンカメラを搭載した将来ミッションの検討をおこなった。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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