研究課題
本研究期間を通して、IceCube実験によって確立した高エネルギー宇宙ニュートリノ観測手法を、より高精度高効率化するための、次世代ニュートリノ望遠鏡に向けた新型光検出器D-Eggの開発を行った。前年度までの研究により、新型光検出器デザインのほとんどは完成しており、本年度は電子基板の最終版を完成させ、それをモデル機にインストール、モデル機を完成し、作成したモデル機についての詳細なパフォーマンス研究を行った。これらはモデル機として製作されたが、南極点に埋設し稼働するに十分な性能を満たすことが確かめられたため、本開発から製作された新型光検出器D-Eggは、実際に南極点深氷河に埋設されIceCube検出器のアップグレードとして稼働するが決定した。パフォーマンス研究の内の南極点での稼働に重要である低温試験では、ノイズや感度、アフターパルスなどの光検出器としての基本性能及び、内部電子回路に含まれている角度センサーや温度センサー、磁気センサーなどの性能の確認を含む。南極点表面に実際に設置されているDAQシステムである“fieldhub”の小型版“mini-fieldhub”を通し2本のワイヤペアのみを用い電源も供給しながらの通信試験を行うことで、南極点での動作環境により近い状態でのデータ取得を行なった。さらに、最終年度にはこれらD-Eggで得られた成果を踏まえ、次世代望遠鏡IceCube-Gen2に向けたさらなる高精度化、特に高ダイナミックレンジ、高感度でかつ製作費を抑えたモジュールへの改良研究を進めた。次世代望遠鏡の要求値の詳細なシミュレーション研究を行った。また、シミュレーション研究を活かしたグラショウ共鳴事象の観測についての論文を出版した。南極氷河中の氷中光伝搬特性系統誤差削減から事象再構築精度が向上することがわかり、この結果は精密較正装置の開発の指標となるべき値である。
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (3件) 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 3件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (11件) (うち国際学会 1件、 招待講演 2件)
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