ニュートリノによる宇宙観測は、ガンマ線や宇宙線では難しい深宇宙・高エネルギー現象の直接観測と、可視光やガンマ線といった電磁波望遠鏡とのマルチメッセンジャー観測の両方を可能とした。2011年に完成したIceCubeニュートリノ望遠鏡は、2012年の1PeVを超えるエネルギーを持つ宇宙ニュートリノの初検出から、より詳細な宇宙ニュートリノ流量の測定へと進んでいるが、観測統計量の少なさがその感度を大きく制限している。この状況を打破するため、本研究では高エネルギーニュートリノ検出効率を格段に強化させる新型チェレンコフ光検出器モジュールの開発・製作、及び次世代実験を視野に入れた物理解析を行った。
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