研究課題/領域番号 |
16H02175
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
素粒子・原子核・宇宙線・宇宙物理
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
相原 博昭 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 名誉教授 (60167773)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 素粒子実験 / Bファクトリー / タウレプトン / ニュートリノ |
研究成果の概要 |
KEKB電子陽電子衝突型加速器から得られた高統計タウレプトン対データを使って、終状態が荷電パイ中間子、ニュートリノ、荷電レプトン対(電子陽電子対、あるいは、正ミューオン負ミューオン対)の4体からなるタウレプトンの稀崩壊を世界で始めて観測した。タウレプトンが荷電パイ中間子、ニュートリノ、電子陽電子対に崩壊する分岐比の測定結果は、(1.46-3.01)×10-5 であり、これは今日までに測定されているタウレプトン分岐比として最小である。さらに、タウレプトンが荷電パイ中間子、ニュートリノ、正ミューオン負ミューオン対に崩壊する分岐比については、1.14×10-5 の上限値を得た。
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自由記述の分野 |
素粒子物理学実験
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究対象であるタウレプトンの4体崩壊(終状態が荷電パイ中間子、ニュートリノ、荷電子陽電子対あるいは正ミューオン負ミューオン対)には、素粒子の標準理論では説明のつかないステライルニュートリノ(sterile neutrino)の存在が寄与する可能性がある。存在すれば測定分岐比が標準理論予想値から大きく異なるはずである。本研究で得られた測定値は標準理論予想値と誤差の範囲で一致しており、その結果質量が数十~数百電子ボルトの比較的重いステライルニュートリノの存在を否定し、標準理論を越える新しい素粒子モデルの構築に厳しい制限を与える。ステライルニュートリノ発見に向けた研究の着実一歩と位置づけられる。
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