研究課題
J-PARCの高運動量高分解能大強度二次ビームを用いた欠損質量法によるチャームバリオンの新しい分光研究を切り拓くため、基幹装置となる大立体角汎用分析装置として開発した検出器を総合して研究をまとめる。1)高速タイミング検出器、シンチレーションファイバートラッカー(SFT)を組み合わせ、大強度電子ビームを用いた総合試験を行い、それぞれ検出器性能を確認した。高速タイミング検出器については、2~3MHzのビームレートで54psの高い分解能を達成した。SFTについては、1MHz/mmのビームレートでトラッキングを行い、空間分解能160ミクロン、時間分解能1ns、トラッキング効率97%を達成した。2)大立体角高分解能飛跡検出器として大型の多線式ドリフトチェンバーの製作を行った。3)PCファームを用いた高効率ストリーミング型データ収集システムについて、より実際の実験条件に近い環境で、実用レベルの性能を確認した。SFT(128ch)、タイミング検出器(14ch)およびドリフトチェンバー(30ch)からのデータを6台のストリーミング対応TDC電子回路によって読出し、それぞれのデータストリームを一定の時間間隔でスライスし、異なる検出器からのデータを統合して時系列に並び替える操作を、すべてPCファーム上で行い、統合されたデータをオンライン解析して不要な事象をフィルタープロセスで落とし、必要なデータのみをハードディスクに書き込んだ。これらを十分な数のCPUと高速ネットワークスイッチで並列処理することにより、6Gbpsのデータ量に対してロスなくデータを記録できた。これは、各TDCに搭載したネットワークプロトコルの上限速度でリミットしており、ストリーミングデータ収集システムの実用性および汎用性を実証できた。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Nuclear Instrument and Method A
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https://doi.org/10.1016/j.nima.2018.06.025
Physics Letters B
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http://www.rcnp.osaka-u.ac.jp/~noumi/puki/E50/index.php?FrontPage