研究課題/領域番号 |
16H02189
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
身内 賢太朗 神戸大学, 理学研究科, 准教授 (80362440)
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研究分担者 |
波場 直之 島根大学, 総合理工学研究科, 教授 (00293803)
濱口 幸一 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 准教授 (80431899)
高田 淳史 京都大学, 理学研究科, 助教 (90531468)
長尾 桂子 新居浜工業高等専門学校, その他部局等, 講師 (90707986)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 暗黒物質 / 地下実験 / 低放射能技術 |
研究実績の概要 |
未知の素粒子「暗黒物質」と原子核との弾性散乱による反跳原子核を検出する手法は「直接探索」と呼ばれ、ここ数年で大質量検出器による制限が大きく進んだ一方で、14サイクルの季節変動を報告しているDAMAの結果も依然として残っている。到来方向に有感な手法など、確度の高い手法によるDAMA領域やその先の探索は急務である。研究代表者の身内はこれまでに方向に感度を持つ暗黒物質「NEWAGE」を立ち上げ、ガスTPCを用いた実験により方向感度実験で最高の結果を更新して来た。本研究では、大型陰イオンガスTPCを製作・地下実験を行い、方向感度実験で暗黒物質の世界最高制限を1桁以上更新を目指す。平成28年度は、GEM製作・真空容器製作・IC試作を計画し、以下に記すとおり順調に研究が進んだ。 <GEM製作>ドリフト距離の測定を可能としながらも、ガスゲインを得にくいSF6ガスを用いるためのキーデバイスが、MPGD(微細加工技術を用いたガス検出器)である。本研究では、低BG材料で製作されていることが確認済みであるGEMを製作する。平成28年度は、電場構造を均一化しながら、実装作業も容易にする電極構造を持つGEMを設計、製作を行った。 <真空容器製作>内容積1.6m×1.6m×1mの容器を設計、製作した。深刻なバックグラウンド源となりうるラドン発生を低減するために容器内部をバフ研磨した。 <IC試作>陰イオンガスの読出し回路は通常のガスTPCよりも時定数が100倍遅い。KEKで開発が進められている、時定数が比較的近い液体アルゴン用ICを元にしたICの開発を開始した。時定数及びダイナミックレンジを最適化したICを設計し、チップを試作した。 <理論的研究>方向に感度を持つ検出器による暗黒物質の性質や、銀河内での運動に対する感度の評価を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究実績の概要に記載したとおり、おおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
検出器開発については分担者の高田、理論的展開に関しては、濱口・長尾・波場との連携を密にして研究を進める。
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