研究課題/領域番号 |
16H02190
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研究機関 | 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構 |
研究代表者 |
谷田 聖 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 先端基礎研究センター, 研究副主幹 (00360587)
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研究分担者 |
岡田 信二 国立研究開発法人理化学研究所, 主任研究員研究室等, 協力研究員 (70391901)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | い |
研究実績の概要 |
K-He原子X線分光実験(J-PARC E62)、Ξ原子X線分光実験(J-PARC E03)ともに準備作業を行った。 E62については、H28年度前半に、実験を行うJ-PARC K1.8BRビームラインにて 、K-ビームを標的に静止させるための減速材調整のスタディ及びTES検出器ビームコミッショニングを行なった。その結果、期待通りの静止K-数が得られた。またTES検出器を6~7 eV@6 keVで動作させることに成功し、荷電粒子によるバックグラウンドも十分に低減することに成功した。 H28年度後半には、ヘリウム標的容器の開発製作、TESシステムと液体ヘリウム標的システムを接続するための真空容器製作、エネルギー校正に使用するX線発生装置の製作を行い、動作試験に成功した。またTES検出器の立体角を大きくするために、センサー素子直上に設置しているシリコンコリメータを薄型にし、代わりに厚い金メッキをして機能を維持することを考案し、実際に製作した。 E03については、E07実験と共同で(K-,K+)反応によるΞ粒子生成を同定するためのKURAMAスペクトロメータの立ち上げを行い、それに成功した。それに引き続き、E07実験に参加してデータを取得した。その結果、(K-,K+)反応によるΞ粒子生成をきちんと同定できていることがわかった。また、E07実験において、ゲルマニウム検出器を試験使用し、きちんと動作していることを確認した。エネルギー分解能は300 keVのX/γ線に対して、2~2.5 keV(FWHM)と、E03のために十分な値が得られた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
K-He原子X線分光実験(J-PARC E62)についてはビームコミッショニングを成功裏に終え、本実験に向けての準備も順調に進んでいる。本実験のビームタイムに遅れが生じているが、その分、新コリメータの製作など進めることができている。
Ξ原子X線分光実験(J-PARC E03)についても同様にコミッショニングについては順調に進んでいるが、ビームタイムが不足しているため、1つ前の実験であるE07実験のデータを一部取得するのがやっとで、E03実験までは進めなかった。
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今後の研究の推進方策 |
K-He原子X線分光実験(J-PARC E62)のビームタイムは、今のところH30年度前半になる可能性が一番高い。そこでH29年度は、本実験に向けての準備を進める。特に、ビームライン検出器用データ取得システムの構築試験や容量を増加させた実験標的容器の新規製作, 立体角を最大化するためにTES検出器のシールドや薄型コリメータの試験、液体ヘリウム標的とTES検出器を融合したシステムの調整等を行い、最終実験セットアップを完成させる。さらに、H29年度内にビームタイムが獲得できれば、データを取得し、その解析を進める。
Ξ原子X線分光実験(J-PARC E03)については、まずその前の実験であるE07実験のデータ取得をH29年度前半に完了させる。また、E07実験の終わりにE03実験のために一日のテストビームが予定されており、そこでゲルマニウム検出器の配置の最適化、バックグラウンドのスタディーなどを行う予定である。E07実験のデータ取得終了後はターゲットおよびその周りの検出器を入れ替えて、E03実験のセットアップを完了させる。E03自体のビームタイムについては、H30年度中でE62の後になる可能性が現状では一番高い。
硬X線用TESについては米国NISTや国内の宇宙物理実験の連携研究者らと検討を進めており、H29年度は開発方針を決定し、基本部分のデザインを行う。実際の製作はH30年度を予定している。
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