本研究では、素粒子標準理論を超える新しい物理により予言される、テラ電子ボルトより高いエネルギーでの現象を検知する検出器の開発を目指した。メガ電子ボルト領域での既知の素粒子反応における異常現象を検知することで、量子効果を介して間接的に調べる実験を計画しており、そのための軽量化飛跡検出器を開発した。低いエネルギーでの反応は、検出器の構成物質によりクーロン多重散乱されてしまい、入射粒子の位置検出精度が制限されてしまう。本研究では導電性薄膜を超音波溶着技術で成形した軽量化比例計数管を作成し、これを真空中で動作させることで実現した。これにより、ミューオンによる新物理探索実験の検出器開発が完了した。
|