研究課題
スロー地震の一種と考えられていたテクトニック微動や超低周波地震が、時間領域で4桁にもわたる超広帯域な物理現象であることを、複数の証拠によって証明した。また微動はパークフィールドのような非沈み込み帯地域でも、地震同様のせん断すべり運動であることを明らかにした。また東北地方を中心に、微動と普通の地震活動の空間的配置とその原因についての包括的レビュー研究を進めた。地震すべりの初期破壊と主破壊の関連性から不均質性を定量化する手法を完成させ、北海道、東北地方の3地域で、15年以上にわたる準繰り返し地震の破壊すべり履歴を明らかにした。これまで開発したブラウン型微動発生モデルを基礎として、微動の発生様式から将来の活動を予測するためのプロトタイプモデルを開発し、西南日本の微動活動に適用した。また潮汐応力依存性を導入することによる予測性能向上を確かめた。このモデルは西南日本で発生する微動の地域的なふるまいの違いを説明する標準モデルとして機能する。理論モデル研究として、スロー地震の発生様式の深さ依存性を、構造不均質と温度圧力依存性から説明するモデルを構築した。また間隙流体が存在する場で、微動が潮汐応力によって誘発される過程を定量的に説明する物理モデルを構築した。2021年度から開始した新たな研究プロジェクトで有効活用できるように、これまでに構築したデータサーバー内のデータ整頓を行った。日本国内の主要データについては、準リアルタイム収録を実現するとともに、その他メキシコ、チリ、ニュージーランド、台湾、アメリカ、カナダなどのデータを整頓した。それぞれのデータに対して本研究で開発した微動検出プログラムを適用し、地域的な微動カタログを構築した。
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2021 2020 その他
すべて 国際共同研究 (5件) 雑誌論文 (8件) (うち国際共著 1件、 査読あり 8件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (16件) (うち国際学会 14件、 招待講演 2件)
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