研究課題
東部赤道太平洋の国際深海科学掘削計画Site U1335コアについて、岩石磁気分析を完了し、得られた相対古地磁気強度変動を絶対古地磁気強度データベースを用いてキャリブレーションした。また、絶対古地磁気強度データベースの信頼性確認及び向上のため、エチオピア洪水玄武岩試料を用いて絶対古地磁気強度測定を行った。Site U1335コアから得られた過去8百万年間の古地磁気強度と伏角異常の成果について、論文としてとりまとめた。西部赤道太平洋のIODP Site U1490コアについて、昨年度採取したUチャネル試料を用いて、高知大学海洋コア総合研究センターにて,等温残留磁化の付与と測定を行った。東北大学にて堆積物の電子顕微鏡観察および強磁性共鳴測定を行い、堆積物の磁性が主に走磁性バクテリア起源の磁鉄鉱とチタン磁鉄鉱であると推定した。過去約870万年前から約1500万年前の古地磁気強度変動の統計的解析を行った。IODPによる許可の遅延により古地磁気測定試料を未採取であった約1500万年前から約1900万年前のコアについて、Uチャンネル試料の採取を行い、古地磁気強度推定のための測定を行った。IODP Site U1335のUチャンネル試料を対象に、ガウス正磁極期の大部分について、1-2万年の解像度でベリリウム同位体比を分析した。これを同試料の相対古地磁気強度記録と比較した結果、双方の詳細変動の大まかな逆相関性と、古地磁気記録の獲得深度に由来すると考えられるオフセットが確認できた。またこの分析を遂行するために、炭酸塩含有率が高い(>50 wt.%)遠洋性堆積物に特化したベリリウム同位体比分析用の試料前処理法を、新たに確立した。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B
巻: in press ページ: in press
10.1016/j.nimb.2019.01.026
Geophys. Res. Solid Earth
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10.1029/2018JB06209