研究実績の概要 |
1)2元ブロック共重合体三様ブレンドからの二重ダイヤモンド構造の構築 2元共重合体は3元共重合体に比べ、共連続構造を作り難いことが知られている。IS (I:polyisoprene, S:polystyrene) 2元共重合体を対象とし、まず単体でGyroid ネットワーク構造を作る分子を作り出した。この分子とS ブロックの長さは同じで、I ブロックが長いもの、短いものを用意して三様ブレンドの構造を調べた。ここでも、3つの分子が構造内で局在化することにより単体では到底作りえないダブルダイヤモンド構造の構築に成功した。I ドメインが4分岐し二重のネットワーク構造を呈していることを3D-TEM 観察で明瞭に示した。
2)ABCD 線状4元共重合体からのGyroid 表面の創出 STIP 4成分4元ブロック共重合体(S:polystyrene, T:poly(4-trimethylsilylstyrene), I:polyisoprene, P:poly(2-inylpyridine)) をアニオン重合で合成した。4成分のうち中央のT, I 成分は温度を下げると相溶するポリマー同士である。温度操作により、実質3相の状態でGyroid ネットワーク構造を構築し、温度を上げることで構造を変えずに4相に相分離させた。I 成分をオゾン分解し、続いて溶媒洗浄すると、T 成分がGyroid 表面として析出した構造が初めて得られた。
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