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2017 年度 実績報告書

自己組織化ナノポーラス金属による革新的C1化学触媒の創出

研究課題

研究課題/領域番号 16H02293
研究機関東北大学

研究代表者

藤田 武志  東北大学, 材料科学高等研究所, 准教授 (90363382)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2020-03-31
キーワードナノポーラス金属 / 触媒 / メタン
研究実績の概要

触媒の耐熱性の向上を行うために、40種類以上の材料探索を行った。ドライフォーミング反応で種々のナノポーラス触媒を評価する際に、NiMn, NiCoMn系(Mn:犠牲元素)では、孔の粗大化が起こり、高温で十分な活性が得られなかった。しかし、NiAl系(Al:犠牲元素)を試した際に、NiMn, NiCoMn系に比べて非常に大きな触媒活性が得られ、活性が2倍に上がり、活性開始温度も300度まで低下し、耐熱性も大きく向上した。電子顕微鏡で解析したところ、反応前はNi/AlOxの複合微細構造となっていたが、反応後ではポア部分にAl酸化物が埋まっている構造になっていたために、Ni部分の粗大化が抑制されて微細構造が約20nm程度に保たれ、その結果として大きな活性が得られた。これはNiAl系でAlを完全に溶出させない条件で作製していたからであった。他の合金元素を添加することでさらなる高活性触媒を見いだすことができる目処を付けることができた。
ガス雰囲気(CH4+CO2)でのその場TEM観察を名古屋大学の超高圧電顕センターで行い、Ni系触媒のコーキングによる劣化挙動をリアルタイムで観察することに成功した。これをもとに耐コーキング触媒設計への指針を得ることができた。
ドライフォーミング反応で通常の水素+一酸化炭素の反応パスとは別に、エチレンなどのオレフィン、メタノールなどのアルコールへの反応パスを示す新奇酸化物についてCaO系酸化物が良いことを見いだした。今後他の元素との複合化をおこなうことでC2、C3の生成能を向上させていく。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

触媒の触媒の耐熱性の向上のために多くの時間を費やしたがようやくその指針を得ることができた。またC2生成能をしめす触媒系もようやく見いだすことができ、さらに改良できる目処が付いた。

今後の研究の推進方策

触媒反応前後のナノ構造を原子レベルで同定し、触媒活性評価結果の間でフィードバックを繰り返しながら、合金組成・処理雰囲気温度・雰囲気組成をコントロールすることによって、目的とするC1転換反応に対して最も有利な合金組成をデザインしていく。ドライフォーミング反応で通常の水素+一酸化炭素の反応パスとは別に、エチレンなどのオレフィン、メタノールなどのアルコールへの反応パスを示す新奇酸化物の発見・創製にも注力していきたい。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2017

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件) 産業財産権 (1件)

  • [雑誌論文] Hierarchical nanoporous metals as a path toward the ultimate three-dimensional functionality2017

    • 著者名/発表者名
      Fujita Takeshi
    • 雑誌名

      Science and Technology of Advanced Materials

      巻: 18 ページ: 724~740

    • DOI

      10.1080/14686996.2017.1377047

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] In-Situ TEM Study of a Nanoporous Ni-Co Catalyst Used for the Dry Reforming of Methane2017

    • 著者名/発表者名
      Fujita Takeshi、Higuchi Kimitaka、Yamamoto Yuta、Tokunaga Tomoharu、Arai Shigeo、Abe Hideki
    • 雑誌名

      Metals

      巻: 7 ページ: 406~406

    • DOI

      10.3390/met7100406

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] Nanoporous metals for green catalyst2017

    • 著者名/発表者名
      Takeshi Fujita
    • 学会等名
      The 15th International Conference on Advanced Materials (IUMRS-ICAM 2017)
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] メタンドライフォーミング反応における高活性触媒の開発2017

    • 著者名/発表者名
      藤田 武志、Peng Xiaobo、宮内 雅浩、阿部 英樹
    • 学会等名
      第161回日本金属学会
  • [産業財産権] 低温メタン改質触媒活物質2017

    • 発明者名
      阿部英樹、ポン シャオポ、藤田武志、宮内雅浩、庄司州作
    • 権利者名
      物質・材料研究機構、東北大学、東京工業大学
    • 産業財産権種類
      特許
    • 産業財産権番号
      特願2017-159452

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公開日: 2018-12-17  

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