研究課題/領域番号 |
16H02312
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
武居 昌宏 千葉大学, 大学院工学研究院, 教授 (90277385)
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研究分担者 |
松宮 護郎 千葉大学, 大学院医学研究院, 教授 (20314312)
丸山 修 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 研究部門付 (30358064)
杉山 和靖 大阪大学, 基礎工学研究科, 教授 (50466786)
SAPKOTA ACHYUT 木更津工業高等専門学校, 情報工学科, 准教授 (70724706)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | プロセス・トモグラフィー / リアルタイムモニタリング / 微小血栓 / 混相流 |
研究実績の概要 |
本年度の実施内容は以下の通りである. フェーズ2「微小血栓モニタリング実験・検証」:2-①血栓生成ユニットの製作と血栓生成実験 微小血栓の大きさ・量をトロンビン量と誘電泳動力により制御可能な血栓生成ユニットを製作し,ACT値,ヘマトクリット値,および凝固因子濃度などを変えて微小血栓を生成した.その微小血栓は顕微鏡にて定量化を行った. 2-②高速アルゴリズムの開発 緩和周波数の周辺のいくつかの印加周波数を用いて,高速で最適周波数を探索するアルゴリズムの開発を行った. 2-③血液循環流路における血流場実験 血液ポンプを有する血液循環流路を構築し,フェーズ1で開発したモニタリング・システムと,2-①の血栓生成ユニットを実装した.流量や供給量を変化させて,微小血栓の量をモニタリングし,微小血栓の時間,および,量をデータベース化した.2-④光干渉法による実験と比較 当初の計画では光散乱法を用いる予定であったが、関係論文を精査し十分検討した結果、光干渉法を用いたほうが学術的であるとの結論至り、光干渉法を用いて、2-③の条件において実験を行い,データベース化した.この光干渉法で得られた結果と,本研究の手法であるPST(プロセス・スペクトロ・スコピー)法で得られた結果とを比較検討し,PST法の精度を検証した. フェーズ3「シミュレーション解析」:3-①微小血栓混相流シミュレーションのモデリング 特に壁近傍における電磁気場と流体力学場を考慮してシミュレーション・モデルを構築した. 3-②微小血栓混相流シミュレーション 3-①に対して,流体・構造・電磁気連成シミュレーションを予備的に行い,微小血栓の流動特性について予備的に検討した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
理由:フェーズ2「微小血栓モニタリング実験・検証」において,動物血を用いた循環流路中における血栓の検出実験を行い,流量を変化させて微小血栓をモニタリングできた. フェーズ3「シミュレーション解析」において,シミュレーション・モデルを構築できた.
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今後の研究の推進方策 |
H30年度はフェーズ3「シミュレーション解析」について研究を進める.具体的な計画は以下の通りである. ・実験とシミュレーションの比較:フェーズ2の実験結果と3-②のシミュレーション結果とを比較検討し「いつ」「どこで」「どれだけ」について討論を行う. ・ハードウェアの作り込み:経皮的心肺補助装置(PCPS)や体外設置型人工心臓に実際に設置することを想定しハードウェアを作り込みと実用化を検討する。その体外血液循環流路に人工的に血栓を作り,各フェーズの結果の定量的な検討を行う. ・総合討論:(1)本計測手法の「いつ」「どこで」「どれだけ」の精度,(2)従来の光干渉法と比較検討による本手法の特徴の抽出,(3)シミュレーションによる微小血栓の流動特性と再凝集巨大化メカニズムの解明,(4)ハードウェアの作りこみによる本モニタリング法の実用化への道筋について総合討論を行う.
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