研究課題
キャリア濃度の異なる試料の移動度解析を詳しく行ったところ、キャリア(電子)濃度に関わらず散乱機構は低温~中温では不純物散乱が、中温~室温では伝導帯間でのキャリア散乱が支配的であった。(世界初の成果)また、高輝度放射光でMg2Si構造解析および電子状態解析を実施した。Sb+Zn添加元素の導入サイトと構造ひずみを蛍光XAFS法を用いて解析し、SbはSiサイトに導入することがわかり、またSb近傍で第一近接距離が伸びていた。またSiサイトへの導入でSbは電子を供給していることが示唆された。米国Oak Ridge 国立研究所で得た300K~800K中性子散乱測定データを理論計算でのPDOSと比較を行うことを目指した。熱振動の寄与を排除するために5Kで測定された非弾性散乱測定結果を元に、熱振動も含んだ計算モデルの構築に関して理論物理学者と連携し、モデル構築を試みた。各試料温度での明確なピークシフトを見出せた。クランプ式高圧セルと簡易真空パック、卓上電気炉を組合わせた実験装置を用い、出発原料にMgH2の微粉末を用いたペレットを高圧合成したMg2Si試料をXRDにより評価すると、これまでと遜色ない純度でしかも短時間に合成できることが明らかとなった。また、熱伝導測定では放電焼結合成した試料の熱伝導率と比較すると0.5倍程度に低い熱伝導率を有する試料の合成を実現した。Ni以外の金属を用いた電極形成において、高温プロセスを含まない電極作成を行った熱電素子試料で、Mg2Si - 電極界面の精密調査と劣化機構の考察を推進した。「バルク・ピックアップ法」による薄片加工手法(薄片加工後すぐに顕微鏡観察を実行)を確立した。低温プロセスで形成した電極の界面に、Mg、Si、電極金属の三元相が形成されないことを確認した。また、原料粉の低温一体焼結により作成した単脚素子でも、三元相が形成されない場合があることを観察した。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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MATERIALS TRANSACTIONS
巻: 59 ページ: 1417 - 1422
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