現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
AlGaN系量子井戸構造における輻射および非輻射再結合過程の解明と制御に関して,様々な知見が蓄積されつつある.例えば,今年度の検討により,デバイスで重要なAlGaN/AlGaN量子井戸では,Ga空孔の形成によって非輻射過程が高まることがわかってきた.またその抑制方法の一つとして,微傾斜基板の利用が考えられることも明らかになった. 加えて,実際にLEDの試作にも成功したことから,量子井戸における光励起下での再結合過程の検討だけではなく,デバイスにおける電流注入時の再結合過程や注入効率など総合的に議論できる環境が整いつつある.結晶成長から物性評価,デバイス作製までを一貫して行っている利点といえる. また,実際にデバイスに利用する際には,電流を基板側から注入できることが望ましく,新しく提案しているAlN厚膜成長法において電気の伝導性を制御できる可能性が見出されており,将来的に有望な技術となりうると期待している. 本研究で得られた成果により,SPIE Nanoscience + Engineering (San Diego, USA, Aug, 2018),SemiconNano2019 (Kobe, Japan, Sep, 2019)にて招待講演を行うなど,対外的にも広く認められている. 以上のように,目標とする紫外光デバイスの高効率発光に向けて,おおむね順調に進展していると考えている.
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