研究課題/領域番号 |
16H02348
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
石井 抱 広島大学, 工学研究院, 教授 (40282686)
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研究分担者 |
青山 忠義 広島大学, 工学研究院, 助教 (00569337)
奥 寛雅 群馬大学, 大学院理工学府, 准教授 (40401244)
高木 健 広島大学, 工学研究院, 准教授 (80452605)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 計測システム / 高速ビジョン / トラッキング / アクティブセンシング / 視覚サーベイランス |
研究実績の概要 |
平成28年度は、局所画像特徴に基づく尤度更新に基づき視線スレッドの時空間密度を適応制御する、高速画像認識と視線スレッドスケジューリングが統合したマルチスレッド高速視覚センシング理論の構築を中心に研究を進めた。最初にオフライン高速画像等を用い、色ヒストグラム等の局所画像特徴に基づく尤度分布に基づき視線位置を決定する単一対象に対するアクティブビジョン視線制御法について検討を行うとともに、高速2自由度ガルバノミラー等の光線駆動系ダイナミクスを考慮し、ミラー駆動角とミラー位置の整定時間の定量関係に基づいた視線スレッドスケジューリング法の検討を行い、視点切替速度が1ms以内の制約のもとで1000視点/秒の独立視線制御が可能であることを確認した。これらの視線スレッドスケジューリングに基づき、同一レート複数アクティブビジョンと等価となる時間均質な視線スレッドによるマルチスレッド視線制御法について動作検証を行い、独立制御された複数視点位置の制御が可能であることを確認した。なお、ミラー小型化に伴う光量減少の関係で露光時間1msとし、視点切替速度の1msと合わせて、視線スレッド時間粒度を2msと設定した。また視線スレッドに異なる時間密度・機能を持たせたヘテロジニアスマルチスレッド視線制御法の検討を行い、そのアルゴリズム例として、視線スレッドの半分をガルバノミラーの稼働範囲全体に対する探索モード、残り視線スレッドを同一レートでの追跡モードとして機能させ、異なる時間密度・機能で動作する複数アクティブビジョンと等価な動画記録が可能なことを確認した。なお次年度以降に予定した、時間均質な視線スレッドによるマルチスレッド視線制御法に基づく多視点高速ビデオサーベイランス試験の一部について、橋梁構造モデルに対する実時間振動分布計測や顕微鏡の視野拡張実験等を前倒しで実施したことを付記する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ミラー小型化に伴う光量減少の関係で秒間1000視点の視線切替を可能とした一方で、露光時間1ms+視点切替速度の1msとした視線スレッド時間粒度を2msと設定したため、現状では500視点/秒での撮影の実現となった。一方で次年度以降予定した多視点高速ビデオサーベイランス試験の一部を前倒しで実施しており、これらの状況を踏まえた上で研究全体としては、「おおむね順調に進展している」と判断した。
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今後の研究の推進方策 |
小型ガルバノミラーにおける集光率を向上させる瞳転送光学系等の光学系の導入を視野に入れる一方で、現状の500視点/秒での撮影速度でのシステム性能でも十分に計測系・処理系・駆動系が十分高速化されたものであり、次年度以降の研究計画における大きな影響を与えるものではないと考える。
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