研究課題/領域番号 |
16H02349
|
研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
庄子 習一 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (00171017)
|
研究分担者 |
竹山 春子 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (60262234)
水野 潤 早稲田大学, ナノ・ライフ創新研究機構, 上級研究員(研究院教授) (60386737)
関口 哲志 早稲田大学, ナノ・ライフ創新研究機構, 上級研究員(研究院教授) (70424819)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
キーワード | 計測工学 |
研究実績の概要 |
①微小なスケール(数ミクロン~サブミクロン)のマイクロドロップレットの安定的作製技術の確立。 これまでに研究代表者のグループが開発してきたマイクロ流体デバイスは、基本的にひとつずつマイクロドロップレットを作製する構造になっており、大量のサンプル処理を考えた場合、生産性が問題となる。そこで本研究では、イオンビームでSiに直接50CH程度の多チャンネル流路を形成する方法でデバイスを作製し、3ミクロン程度のドロップレットの多量かつ安定な作製に成功した。 ②微小サンプルのドロップレット内への内包技術の確立 当年度は主に油層/液相の2層からなる微小ドロップレットの薬理への応用を試みた。プライマーでコーティングされた微小磁気ビーズを油層/水層の2層からなるドロップレットにDNAとともに個別に内包したのち、ドロップレット内でDNAと各種薬品を反応させその様子を観察することにより、特定の薬品にのみ反応し特殊なたんぱく質を分泌するDNA配列の特定に成功した。 ③マイクロドロップレットの選択的操作技術の確立 Aの微小ドロップレットとBの微小ドロップレットを一つずつ確実にトラップし、その後トラップした場所でABの1対1の融合を可能とするマイクロ流体デバイスを開発し、実際に動作を確認した。研究代表者のグループは、これまでもドロップレット融合デバイスの開発に成功しているが、今回の研究では必ずA(試料)とB(試薬)を一つずつ融合させることが可能な点に特徴がある。 ④ 選択された微小サンプルに対する薬品等の刺激方法の確立 今年度新規に開発に成功した、超撥水表面を実現する構造体を応用して、その表面にマイクロドロップレットをのせてハンドリングを行うことにより、ドロップレット同士の新規な融合方法を検討中である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
H28年度の研究実施計画をほぼすべて実施しており、かつ更なる発展や応用が見込める。また、論文・学会発表等の業績も着実に上がっているため。
|
今後の研究の推進方策 |
基本的にはこれまでの研究方針を着実に推進していくことで当初目標は達成可能である。ただし、研究グループ内でマイクロ流体デバイスに精通している技術者が少なくなったため、今後ナノ・ライフ創新研究機構スタッフの協力や、新規人材の育成によるメンバーの補強等、工数の確保には留意する必要がある。
|