どろどろの流体の科学と称されるレオロジーでは、粘度が主たる興味の対象であるが、MRIを用いて計測されたスラリー等の既存の流動速度分布のデータを詳細に分析した結果、全ての流動速度分布は2次関数もしくは3次関数の何れかで近似できることと、流体のせん断応力伝達には比較的単純で明確な減衰メカニズムが存在することを明らかにしたことの学術的意義は高い。また、広い空間では、力のつり合いが成立しナビエ・ストークス方程式が適用できる水に代表されるニュートン流体の流動も、狭小空間中では極めて高い粘性を示すことから、本研究で明らかにした流動の一般的な規則性の中に特殊な理想形態として包含される可能性が指摘できる。
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