研究課題/領域番号 |
16H02360
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
石川 達也 北海道大学, 工学研究院, 教授 (60359479)
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研究分担者 |
西村 聡 北海道大学, 工学研究院, 准教授 (70470127)
磯部 公一 北海道大学, 工学研究院, 准教授 (70452084)
清水 康行 北海道大学, 工学研究院, 教授 (20261331)
山田 朋人 北海道大学, 工学研究院, 准教授 (10554959)
川口 貴之 北見工業大学, 工学部, 准教授 (20310964)
川尻 峻三 北見工業大学, 工学部, 助教 (80621680)
川端 伸一郎 北海道科学大学, 工学部, 教授 (10224833)
所 哲也 苫小牧工業高等専門学校, 創造工学科, 准教授 (40610457)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 地盤工学 / 土砂災害 / 気候変動 / 防災 / 積雪寒冷地 |
研究実績の概要 |
1.マルチフィジックス視点でのミクロ(地盤要素)モデルの構築と検証: 地盤の凍結・融解による強度・剛性の変化とそれらを合理的に記述する理論体系の構築を目指し、局所変形計測凍結融解三軸試験とモデリングを行った。その結果、凍結に関しては既往の非凍結土と連続性を有するモデル化方法を構築した。 2.サイト分析及び模型試験によるメソスケール問題における現象把握: 融雪量・降雨量を考慮した土砂災害危険度評価手法を構築するため、種々の条件で実物大模型斜面および実道路斜面の安定性評価を行い、斜面崩壊現象の支配要因とその影響度について検討した。その結果、降雨量・融雪量・表層地盤の凍結融解・積雪重量・斜面傾斜角度が斜面の安定性に強い影響を及ぼすことを示し、融雪と降雨を考慮した実効雨量あるいは土壌雨量指数による土砂災害発生危険度の判定基準を提案した。また、豪雨時や融雪時に発生した斜面崩壊現象の事例分析を行い、当該評価手法の信頼性を検証した。 3.地理空間・地盤情報システム、気候モデル等各種ツールによる情報整理方法論の確立: 豪雨や融雪時の積雪寒冷地の広域土砂災害リスク評価手法を構築するため、GISや降雨流出シミュレーションを用いて台風による斜面災害箇所の評価を行った。その結果、土石流や浸食による斜面崩壊など土砂災害危険箇所の抽出に、DEMデータを用いた地理・地形情報の分析は有効であること、及びGISを利用した降雨流出シミュレーションが豪雨時の山岳地帯の広域土砂災害リスク評価に有用であることを示した。また、GISを用いて北海道内の斜面崩壊発生箇所と発生要因に関する地形・地質データを整備し、それらのデータに対し数量化Ⅱ類による統計分析を行い、斜面の危険度を地形及び地質データから推定する手法を提案した。また、提案した推定方法の精度検証を行った結果、ある程度の予測精度を有する評価方法であることを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
交付申請時に記載した本年度の研究実施計画のすべての項目について検討を実施しており、本実績報告書で記載したように、各項目について、交付申請時に記載した研究目的の達成に結びつくような具体的な研究成果があがっていることから、「おおむね順調に進展している。」と自己評価した。
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今後の研究の推進方策 |
研究目標達成には、実験、解析、データ分析等の各側面から包括的な検討を行う必要がある。このため、本研究では、研究開発の効率性の観点から各研究者が個別に保有する研究開発力を総合して課題解決にあたっている。ただし、研究機関が複数あり、また研究期間も長期に渡ることから、各研究項目間の連携性の向上と研究内容の調整のため、情報交換と研究成果の共有などを目的とした研究の進捗状況報告会を、今年度同様、今後も年度内に数回定期的に開催しながら、本研究を推進する。
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