研究課題/領域番号 |
16H02386
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研究機関 | 京都女子大学 |
研究代表者 |
斎藤 英俊 京都女子大学, 家政学部, 教授 (30271589)
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研究分担者 |
稲葉 信子 筑波大学, 芸術系, 教授 (20356273)
宗田 好史 京都府立大学, 生命環境科学研究科, 教授 (70254323)
北尾 靖雅 京都女子大学, 家政学部, 教授 (00293986)
鳥海 基樹 首都大学東京, 都市環境科学研究科, 准教授 (20343395)
平賀 あまな 東京工業大学, 環境・社会理工学院, 特任准教授 (90436270)
西川 博美 岡山県立大学, デザイン学部, 准教授 (00749351)
青柳 憲昌 立命館大学, 理工学部, 任期制講師 (00514837)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 文化財 / 近代産業遺産 / 保存と活用 / ドイツ / オランダ / シンガポール / 台湾 / 中国 |
研究実績の概要 |
平成28年度は、下記に掲げるようにドイツ・台湾および国内各所における近代産業遺産の保存・活用状況調査とデータ収集および比較検討を行った他、オランダ、ドイツ、シンガポール、台湾、中国から専門家・研究者を招聘し、国際シンポジウムを開催した。また、各研究分担者はテーマに基づいた研究を進め、関連書籍の購入を行った。これにより、本研究の所期目的の多くを達成した。 8月23-30日:ドイツのノルトライン・ヴェストファーレン州のルール工業地帯の近代産業遺産の保存・活用状況調査(斎藤、木村、西岡、ヘンリヒセン) 11月4、5日に「重要文化財舞鶴旧鎮守府倉庫施設(旧第二水雷庫)」(舞鶴市)を会場として、国際シンポジウムを開催した。斎藤、西岡、北尾、矢谷(舞鶴市)の他、オランダ、台湾(2名)から招聘した研究者・専門家が講演を行った。参加者は2日間で延べ約80名であった。また、このシンポジウムに合わせて、3日に旧鎮守府倉庫施設(舞鶴市)、および5日にグンゼ本社工場施設(綾部市)の保存・活用調査を行った。 2017年1月5-9日:台湾の台北鉄道修理工場(台北市)、旧仁徳製糖工場(台南市)などの近代の産業遺産の保存と活用状況調査(斎藤、平賀、西川、巌、岡野、黄俊銘、傳朝卿) 3月4、5日に「重要文化財西洋美術館本館」(東京都)を会場として、国際シンポジウムを開催した。巌、井川(文化庁)、福田(西洋美術館)の他、ドイツ、オランダ、シンガポール、中国(3名)から招聘した研究者・専門家が講演を行った。参加者は2日間で延べ約200名であった。また、このシンポジウムに合わせて、3日に重要文化財旧三河島汚水処分場喞筒場(東京都)など、6日に国宝・重要文化財旧富岡製糸場施設(富岡市)の保存・活用調査を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成28年度に予定していたドイツ、台湾など諸外国、および国内の近代産業遺産の保存と活用事例の調査は、初期の目的をおおむね達している。一部、オランダ等の調査が行えなかったが、それに代わって、諸外国から研究者・専門家を招聘しての国際シンポジウムを2度開催し、有益な情報を得られただけでなく、広く国内の研究者・専門家に本研究の目的の周知を図り、研究成果を提供することができた。
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今後の研究の推進方策 |
所定の各国の事例調査と情報収集を継続するが、平成28年度の研究成活動の結果から、下記の方針を計画している。 平成28年度に行った台湾の近代産業遺産に関して、すでに休業している製糖工場が多く存在し、その一部は保存・活用されている。これらの加えて、鉄道施設などの遺構もよく保存されているので、台湾の保存と活用事例を集中的に調査し、1つの報告書として纏めたいと検討している。 また、国際シンポジウムで招聘した中国の研究者・専門家が講演で示した中国における近代産業遺産の保存と活用事例も興味深く、平成29年度の概要調査に基づいて、さらに詳細な調査を重ねる方針である。
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