研究課題/領域番号 |
16H02386
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研究機関 | 京都女子大学 |
研究代表者 |
斎藤 英俊 京都女子大学, 家政学部, 教授 (30271589)
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研究分担者 |
稲葉 信子 筑波大学, 芸術系, 教授 (20356273)
宗田 好史 京都府立大学, 生命環境科学研究科, 教授 (70254323)
北尾 靖雅 京都女子大学, 家政学部, 教授 (00293986)
鳥海 基樹 首都大学東京, 都市環境科学研究科, 准教授 (20343395)
平賀 あまな 東京工業大学, 環境・社会理工学院, 特任准教授 (90436270)
西川 博美 岡山県立大学, デザイン学部, 准教授 (00749351)
青柳 憲昌 立命館大学, 理工学部, 准教授 (00514837)
是永 美樹 京都女子大学, 家政学部, 准教授 (30345384)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 文化財 / 近代産業遺産 / 保存と活用 / オランダ / イタリア / イギリス / 台湾 |
研究実績の概要 |
平成30年度は、下記に掲げるように、オランダ、イタリア、イギリス、アメリカ、台湾および国内における近代産業遺産の保存・活用状況調査を行った他、オランダ、台湾の専門家・研究者を招聘し、国際研究集会を開催した。著作は「10.研究発表」欄に記すように、研究代表者・分担者・協力者による関連論文を学会誌、紀要等及び書籍として計8件、掲載・発表・刊行した。国際研究集会の予稿集は印刷・製本し、関係者に配布した。これにより、本年度研究の所期目的を達成したといえる。 【外国・国内の近代産業遺産の保存・活用事例調査】①オランダ調査:オランダの産業遺産に関わる中間事業主体の調査:8月22日-9月6日(北尾)、②イタリア:ピサとローマの産業遺産活用事例調査:2月27日~3月3日(宗田)、③イギリス:スコットランドのウイスキー産業遺産の調査:3月20-27日(鳥海)、④台湾:台湾の製糖工場および鉄道施設の保存と活用事例の調査:2月15日~17日(巌)、⑤アメリカ:ワシントンD.Cの国立公文書館において南大東島・北大東島の製糖産業に関する資料調査:3月7-15日(西川)、⑥舞鶴市:舞鶴の旧海軍施設の保存・活用事例の調査:7月22日(斎藤、西川、王他)⑦京都市:琵琶湖疎水の旧御所水道ポンプ室及び旧九条山貯水池の保存状況調査:7月23日(斎藤、西川、王他)⑧南大東島・沖縄本島:南大東島および沖縄本島の製糖工場、ラム酒醸造工場、サトウキビ農場の実態調査:2月10-14日(西川他)、⑨奄美大島:奄美大島に於ける製糖工場、焼酎工場等の実態調査:2月13-17日(斎藤、平賀、是永、青柳、西川、西岡、木村他) 【国際研究集会】7月24日に京都女子大学図書館多目的室を会場として、台湾、オランダより招聘した専門家・研究者によって、台湾の製糖工場の保存、欧州の港湾都市の再整備の講演が行われ、参加者と意見交換を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
国内・国外の事例調査や専門家・研究者を招聘しての国際研究集会、関連論文の発表など、成果を着実にあげているので、おおむね順調に進展しているといえる。
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今後の研究の推進方策 |
①補足調査:今年度は、本研究の最終年度であるので、これまで実施してきた国外の保存・活用事例の補足調査としてヨーロッパ、アジア諸国・地域(アメリカ、フランス、イタリア、台湾等)を行い、また、日本国内の補足調査を行う。 ②国際専門家会議の開催:本研究の総括として、フランス、イタリア、カナダ、オランダ、中国、台湾、シンガポールから専門家を招聘し、国際専門家会議を開催し、近代の産業遺産の歴史的価値と保存の必要性、困難な条件を克服しての活用の方法論、活用による地域のアイデンティティ化の課題、経済振興貢献の方策などの諸課題について討議する。 ③研究の総括:平成28年度以降の調査・研究成果の共有化と研究の取り纏めを行う。研究の成果として、「近代産業遺産の保存と活用に関する基本指針」を策定し、関係機関・研究者・専門家等に配布する。 ④研究成果の公開:調査・研究の成果報告書を作成し、広く研究成果を公開する。また、近代の産業遺産の特性を活かした魅力的な保存・活用の事例を紹介する事例集を作成し、関係機関・研究者・専門家等に配布する。これらの活動を通じて、近代の産業遺産が有する多様な価値に対する理解と普及を図る。
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