研究課題
本研究では、矩形ナノブロックを任意な結晶方位で配列させて特異な機能を発現させることを目的としている。2016-2018年度の成果として、多様な矩形ナノブロックの配列体を構築して機能の評価をおこなってきた。また、配列体の手本としてのバイオミネラルの構造と機能の解析も並行している。2019年度は本研究プロジェクトの最終段階として、ナノブロックの配向配列構造のスケールアップ・高度化とさらなる機能開拓を目指して研究を進めた。主要な4つの成果を以下に示す。第1の成果は、配向配列構造のスケールアップに影響するコントロールパラメーターの解明である。ブロック間の相互作用を弱める重要性を明らかにし、大規模な配列体の構築に成功した。第2の成果は、異種ナノブロックの配列体の積層による新規機能の発現である。酸化鉄や酸化コバルトのナノキューブの積層配列における磁気特性の解析を進め、ブロック間の高精度な接合がユニークな特性発現に不可欠であることを解明した。第3の成果として、ナノブロック人工的配列体の手本として海洋性プランクトンであるカイアシ類におけるグアニンナノ結晶の配列体の構造と機能を解明した。ここでは、このナノブロックが有機枠によって制御され多様な構造色を呈することを明らかにし、人工的ナノブロックの配列体の構築や動的制御に大きな示唆を与えている。第4の成果は、これまでの結果を集積・解析し、ナノブロックの配列制御に関する指針を示したことである。ここでは、本研究で得られたナノブロックの合成法および配列手法の体系化によって、矩形ナノブロックの配列による構造構築の技術が、さまざまな物質系へ応用可能であり、高機能セラミックスおよび複合材料の新規合成手法として提供できることを明らかにした。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (6件) (うち国際共著 1件、 査読あり 6件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (20件) (うち国際学会 9件、 招待講演 1件)
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