| 研究課題/領域番号 |
16H02404
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| 研究機関 | 熊本大学 |
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研究代表者 |
河村 能人 熊本大学, 先進マグネシウム国際研究センター, 教授 (30250814)
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| 研究分担者 |
新留 琢郎 熊本大学, 大学院先端科学研究部(工), 教授 (20264210)
眞山 剛 熊本大学, 大学院先端科学研究部(工), 准教授 (40333629)
山崎 倫昭 熊本大学, 先進マグネシウム国際研究センター, 准教授 (50343885)
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| 研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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| キーワード | マグネシウム合金 / 急速凝固粉末冶金 / ステント / LPSO相 / 超塑性 |
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| 研究実績の概要 |
本研究の目的は、生体吸収性LPSO型Mg合金を開発し、その超塑性特性評価とステント網目デザインというステント加工技術の基礎データを取得して、具体的なステント加工技術開発と大型動物試験による実用可能性実証に展開することにある。平成30年度では、1「合金・プロセス設計」、2「超塑性特性評価」、3「ステント網目デザイン」、4「生体吸収性/適合性評価」の項目を実施した。
(1) 合金・プロセス設計：ステントとしての使用に耐えうる強度と延性、生体環境中での高い耐食性を実現するためにLPSO相の体積分率を変えた合金組成の急冷Mg-Zn-Y合金に第４、第５元素添加することで、機械的性質や耐食性を向上させるための最適な添加量を調査した。また、試作したLPSO型Mg急冷合金をステント製造に必要な細管加工のプロセスの検討を行なった。
(2) 超塑性特性評価：調査した超塑性特性を元に最適なひずみ速度で加工することで均一な肉厚を有する一次細管を製作することができた。
(3) ステント網目デザイン：昨年から引き続き、Mg合金の微視的変形機構を考慮した結晶塑性有限要素法によるステントの変形解析手法を構築し、ステントの周期的な網目構造の単位構造を用いて、形状と変形の一様性の関係を数値的に調査した。さらに初期集合組織が変形の一様性に及ぼす影響についても検討した。
(4) 生体吸収性/適合性評価：様々な組成のLPSO型急冷Mg-Zn-Y合金や一次細管をラットや豚に埋め込み、生体吸収性/適合性に最適な合金組成設計を検討した。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
(1) 合金・プロセス設計：強度と延性を両立した機械的性質を有しており、生体環境を模した条件下でも良好な耐食性を示す添加元素希薄化LPSO型急冷Mg合金を細管に加工する最適条件を明らかにしつつある。
(2)超塑性特性評価：細管加工を行う上で必要なLPSO型急冷Mg合金を均一な肉厚を有する細管を製作できる適正な温度と歪み速度が明らかになりつつある。
(3)ステント網目デザイン： Mg合金をステントに加工する際の変形解析手法を構築し、ステントの周期的な網目構造の単位構造を用いて、形状と変形の一様性の関係を数値的に調査が進んでいる。
(4) 生体吸収性・適合性評価：ラットや豚への細管の埋め込み試験結果から生体吸収性/適合性に最適な合金設計指針が明らかになりつつある。
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| 今後の研究の推進方策 |
(1) 合金・プロセス設計：希薄LPSO型急冷Mg-Zn-Y合金に第四元素、第五元素添加することでさらなる機械的性質と耐食性の向上を目指す。
(2) 超塑性特性評価：薄く均一な肉厚の二次細管加工に必要な適正な加工条件を明らかにするためにさらなる歪み速度依存性などを調査する。
(3) ステント網目デザイン：引き続き変形解析手法を構築、初期結晶配向性がLPSO型急冷Mg合金の加工性に及ぼす影響を調査する。
(4) 生体吸収性/適合性評価：合金・プロセス設計チームから新たに開発されてくる新規合金について、水中での分解試験、マウスや豚への細管や試作ステントの埋め込み実験などで分解性・生体適合性を評価し、合金素材とステントとしての機能について検討を行う。
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