研究課題/領域番号 |
16H02423
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
田谷 正仁 大阪大学, 基礎工学研究科, 教授 (60144127)
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研究分担者 |
小嶋 勝 大阪大学, 基礎工学研究科, 助教 (00533647)
境 慎司 大阪大学, 基礎工学研究科, 教授 (20359938)
松永 民秀 名古屋市立大学, 大学院薬学研究科, 教授 (40209581)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 再生医療 / バイオプリンティング / バイオプリンター / 組織工学 |
研究実績の概要 |
本研究では、機能不全の組織や臓器を、生体外で作製した組織体を移植して治療する再生医療の実現のための技術の1つとして注目されているバイオプリンターを用いた三次元組織構築のために必要な各種技術の統合的な開発を目的として検討を行った。 まず、可視光照射によりゲルを形成するとともに細胞機能を向上させるインク開発のための基礎的検討として、当該方法によりゲル化するインクの調製条件などの探索を行った。インクの主材料である高分子には、これまでに研究分担者の境が開発を行ってきた、フェノール性水酸基導入高分子を用いた。また、光増感剤としてはルテニウム(II)ポリピリジル錯体を用い、犠牲材としては過硫酸ナトリウムを使用した。光増感剤および犠牲材の濃度と細胞毒性に関して検討を行って得られた、短時間の利用であれば細胞に影響を与えない濃度にてそれらを使用し、フェノール性水酸基導入高分子水溶液のゲル化を導く条件の探索を行い、そのような条件を見出すことができた。また、押し出し式のプリンターを用いて、造形することができる条件を見出すこともできた。ただし、造形精度の点からは十分と言えるレベルにはまだ達しておらず、これはゲルの強度とゲル形成に要する時間が十分早くないためであると考えられる。これらに関してはあらためて最適化を行う必要がある。なお、前述したように、造形精度は十分でないものの、マウス線維芽細胞を用いた検討によって、細胞の生存を大きく損なうことなく造形できる可能性を見出すことができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
可視光照射によりゲルを得ることができるインク材料として有望性を見出した条件で作製したゲルを用いた肝臓由来細胞の機能を評価するには至っていないため。
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今後の研究の推進方策 |
ハイブリッドプリンターの開発に加え、幹細胞や肝細胞などより組織工学分野で有用と思われる細胞を用いた検討を推進する。
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