建設中の国際熱核融合実験炉(ITER)では制御された熱核融合反応により発電に供することが可能となる熱エネルギーを発生する実験が行われる.一方、ITERの運転時間は1000秒程度で、今後必要とされる1年にもわたる定常運転に至るまでのハードルは高い.本研究では、燃料粒子である水素の循環に関して定常運転を実現するための研究を実施した.結果としてプラズマと固体壁の相互作用により形成されたわずか100ナノメートルの層が巨大な核融合炉の燃料粒子循環を担っているという事実を明らかにすることができた.また、これまで誰も考えていなかった壁温が粒子循環を制御するノブとして機能することを明らかにした.
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