研究課題
電流バイアス運動インダクタンス検出器(CB-KID)に積層した中性子転換層ボロン10(10B)層で中性子の核反応で放出される荷電粒子がDCバイアス電流下の超伝導細線の超伝導電子対を壊し運動インダクタンスが急変させることで発生する電磁波対を使って中性子を捕捉する原理である。直交する2層のメアンダ状CB-KIDに対して遅延時間法を適用することで、わずか4端子の中性子イメージング手法を提案し、それを実証した。また、J-PARCの1MW出力の大強度パルス中性子源でも検出器は正常に動作することを実証した。核反応による中性子転換層としての10B層は電子ビーム蒸着法によりCB-KID 検出器に積層蒸着して、膜厚均質度の高い成膜をした。Gdジーメンス・スター(Gdスポークの放射状パターン)の透過像を調べ、CB-KIDでGdスポーク幅2.2μm程度まで識別可能であることを実証した。またYbSn3単結晶とSnが共存する試料のイメージングを行い、YbSn3単結晶からのブラッグディップの観測に成功し、ブラッグディップ解析から結晶方位を決定することでYbSn3単結晶のモザイク構造のイメージングを達成した。また、CB-KIDの動作原理は検出器が冷中性子や熱中性子に適するが、熱外中性子領域への拡大適用可能性を調べた。金属間化合物SmSn3の中性子核共鳴吸収現象を観測することで中性子エネルギー100eVまで透過率測定が可能であることを明らかにした。高位置分解能CB-KIDによるFe試料透過試験で、エルゴード定理を活用することで、わずか3.1μm x 2.3μmの微小領域に対してもブラッグエッジ分析が実現可能であることを実証した。さらに、室温試料の中性子透過試験が実施できる改造型クライオスタットを完成させ、室温のGdジーメンス・スター透過像からスポーク幅5.4μmが識別を実証し、手法の実用性を著しく高めた。
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Journal of Physics: Conference Series
巻: - ページ: in press
巻: 1975 ページ: 012023
10.1088/1742-6596/1975/1/012023
巻: 1590 ページ: 12033
10.1088/1742-6596/1590/1/012033
巻: 1590 ページ: 012036(1-8)
10.1088/1742-6596/1590/1/012036
原子力機構の研究開発成果2020-21 (ISSN 2188-1464 eISSN 2188-1472)
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IEICE TRANS. ELECTRON
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10.1587/transele.2019SEI0002