研究課題
本研究では、マカクザル(ニホンザルもしくはアカゲザル)を用いて、狂犬病ウイルス(RV)ベクターによる入出力解析、多領域多点同時記録によるネットワークダイナミクス解析、ウイルスベクターを利用した遺伝子操作による神経路選択的機能介入などの先端的神経ネットワーク解析システムを駆使して、霊長類の大脳皮質―大脳基底核連関の構造と機能を明らかにすることを目的としている。最終年度である平成30年度は前年度に引き続いて、以下の3つの研究計画を継続、実施した。1.「RVベクターを用いた眼球運動関連皮質領野の投射様式と多シナプス性入力様式の解析」については、高発現型multi-color RVベクターによる逆行性越シナプス的多重トレーシングに関する最初の原著論文「大脳基底核から運動前野背側部および腹側部への多シナプス性入力様式」の投稿準備を進めている。2.「多領域多点同時記録による眼球運動関連ネットワークダイナミクスの解析」については、眼球運動課題を遂行中のサルにおいて、前頭眼野、大脳基底核、上丘から神経活動の同時記録をおこない、現在、得られた実験データの解析を進めている。また、本研究計画に関連して、新規ウイルスベクター(研究計画3を参照)を開発した。3.「神経路選択的な光遺伝学的抑制法や化学遺伝学的抑制法の確立」については、高発現型の新規アデノ随伴ウイルスベクターを開発し、それを基盤にして光遺伝学的あるいは化学遺伝学的な活動操作を実現する研究手法の確立を目指した開発研究を進めている。具体的には、当該ベクターにオプシン遺伝子やDREADDレセプター分子を挿入した新規ウイルスベクターシステムを用いて、神経線維の光・薬剤刺激による神経路選択的な活動制御をおこなった。また、ニューロン種特異的プロモータやゲノム編集技術を利用して、ターゲットニューロン種に選択的な遺伝子操作手法の確立を進めている。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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