研究分担者 |
佐藤 里絵 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 食品研究部門, 上級研究員 (10399371)
原 尚資 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 北海道農業研究センター, 研究員 (20721426)
近藤 康人 藤田医科大学, 医学部, 教授 (30301641)
手島 玲子 岡山理科大学, 獣医学部, 教授 (50132882)
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研究実績の概要 |
日本国内各地で栽培されている在来種が保有する遺伝的変異を固定させた自殖固定系統の作出に関してはF5種子を計1,312系統(西日本由来:486系統,東日本由来:280系統,北日本由来:546系統)を作出できた。これらの作出した自殖固定系統における変異の固定は進んでおり、アレルゲン性育種に限らず今後のソバ育種や遺伝解析の際の供試材料として有用な系統群である。 アレルゲン関連遺伝子領域における遺伝的プロファイリングに関しては、重篤なアレルギーを惹起すると考えられ、重要度の高いFag e 2遺伝子およびFag e 2遺伝子と配列相同性の高い10kDa遺伝子において塩基配列変異解析により、Fag e 2遺伝子領域において、25個のハプロタイプからなる21通りのアミノ酸配列パターン(10kDa遺伝子領域において4個のハプロタイプからなる3個のアミノ酸配列を明らかにした。これらのアミノ酸配列の中にはアレルゲン性に影響を与えると考えられるエピトープ配列部位に変異が生じているアミノ酸配列や、タンパク質の疎水性や立体構造の変化をもたらすと推察されるアミノ酸配列が含まれていることを明らかにした。 アレルゲン性変異固定系統選定においては、今後の低アレルゲン性品種育成における有望系統となるFag e 2における2つのタイプの低アレルゲン性自殖固定系統を獲得した。新規ソバアレルゲン特異的抗体の作製およびその評価において作製された4つの主要ソバアレルゲン(Fag e1, Fag e 2, Fag e 3, 10kDa)のそれぞれにおいてアレルゲン性を特異的に検出可能な新規抗体が作製された。
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