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2016 年度 実績報告書

Capsicum属の交雑不親和性を打破する核および細胞質遺伝子の特定

研究課題

研究課題/領域番号 16H02535
研究機関京都大学

研究代表者

細川 宗孝  京都大学, 農学研究科, 准教授 (40301246)

研究分担者 大野 翔  京都大学, 農学研究科, 助教 (10722001)
白澤 健太  公益財団法人かずさDNA研究所, 先端研究部, 主任研究員 (60527026)
安井 康夫  京都大学, 農学研究科, 助教 (70293917)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2020-03-31
キーワードトウガラシ / RNase / 交雑不和合性 / 種間雑種
研究実績の概要

本年度は、遺伝子データの獲得を主な目的とした。Capsicum chinenseを2品種、C. annuumを5種、C. baccatumを2品種のリシークエンスを行った。また、それぞれの品種間の交雑実生についてのRNAseqを行った。これによって、葉が縮葉となった植物体と縮葉とならない植物体間で発現が異な遺伝子群を抽出した。また、正逆交雑で縮葉あるいは正常葉となる交雑組み合わせがいくつか見いだされ、これらについてのRNAseqおよび発現遺伝子の解析を行った。縮葉のみで発現する遺伝子群や正常葉のみで発現する遺伝子群のデータを取りまとめた。さらに本解析においては、両親のリシークエンス結果を考慮し、交雑個体において両親のどちら側の遺伝子が発現しているのかにつて解析を行っている。次に、F2世代で正常と縮葉が分離するはずの交雑組み合わせにおいて、200個体を育成した。ところが、縮葉系統が出現せず、縮葉系統の種子発芽がなかったものとしてRADseqの結果を解析したが、候補遺伝子の特定には至らなかった。この点については交雑集団の作り直しを行い、29年度に解析を再開する予定である。
RNase座の特定については、RNase強集団と弱集団を用いたQTLseqおよびRADseqによってRNaseの強弱を決める遺伝子候補領域を特定することができた。現在50個程度の遺伝子候補について更なる絞り込みを行っている。興味深いことに、この領域にはRNaseが13個以上並んでいると思われる領域があり、このうちの一つにタンパク質の機能にかかわる重大なSNPを見出した。さらにこの遺伝子は配列中に特徴的なアミノ酸の繰り返し配列を持つことが明らかとなった。現在はトウガラシの葉が持つ特徴的に強いRNase活性の候補遺伝子であると考え解析を行っている。

現在までの達成度
現在までの達成度

2: おおむね順調に進展している

理由

全ての遺伝子データの解析が順調に進み、今後実験を行う基盤が完成したと考える。交雑不和合性に関しては、交雑集団の作り直しから始める必要が生じたものの、集団の作成は順調に進んでおり、29年度中の解析は可能である。現在報告されているトウガラシのリファレンス、およびC. baccatumおよびC. chinenseのリファレンスも報告されたことから、本研究で得られた遺伝子データを有効に使えることを確認している。解析の費用を29度に回し、29年に大規模なF2集団の解析および交雑不和合性にかかわる遺伝子座の特定を行う予定である。一方で、バイオインフォマティシャンの確保が課題となっており、現在募集を行っているところである。その他、トウガラシ交雑個体の獲得に必要な技術やRNA解析技術、および本研究に適したリファレンスの選択等のトラブルシューティングはほぼ終えたと考えられ、現在は3人の研究者がそれぞれ精力的な解析を行っているところである。現在存在するデータに関しては白澤氏、安井氏が解析を分担し、3人の活発な議論の中でとりまとめを行っており、重要な知見も得られている。
RNase座の特定に関しては安井氏を中心に解析を進展させており、極めて順調に進んでいる。本年度は研究の協力者を増やして特定に向けて全力を尽くす次第である。

今後の研究の推進方策

現在作成している縮葉あるいは正常葉が分離するF2集団を用いたRADseqを行い、交雑不和合性にかかわる2つの遺伝子を特定する予定である。29年度の後半には解析が終了する予定である。
また、細胞質側の原因遺伝子をミトコンドリア遺伝子に求め、ミトコンドリアのゲノム解読を29年度の前半に終了させる。細胞質の違いによる縮葉・正常葉個体のRNAseq解析はすでに終えており、ミトコンドリアのゲノムおよび核ゲノムに分けた解析を行う予定である。これによって、交雑不和合性を特定のミトコンドリア遺伝子が抑え込むメカニズムを遺伝子レベルで解析できるものと考える。
トウガラシへの遺伝子導入についても昨年までの研究で一定の進展があり、茎頂分裂組織への導入に可能性が見いだされ、本年度もこの技術の完成に向け研究を行う予定である。
RNase活性については候補遺伝子領域が特定されたことから、現在さらに1000個体を育成し、PCRによって候補領域を絞り込む作業を行う予定である。また、候補遺伝子についてはVIGSによってサイレンシング誘導し、論文投稿に十分なデータをそろえる予定である。おおむね、実験計画に記載された内容で進める予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2017 2016 その他

すべて 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件) 備考 (1件)

  • [学会発表] トウガラシ(Capsicum chinense)の雑種第一代で現れる自動着果機構の解明2017

    • 著者名/発表者名
      山崎 彬・細川宗孝
    • 学会等名
      平成29年度園芸学会春季大会
    • 発表場所
      日本大学生物資源科学部
    • 年月日
      2017-03-19 – 2017-03-20
  • [学会発表] Digestion of chrysanthemum stunt viroid (CSVd) by leaf extents of Capsicum chinense attributes to strong RNase activity.2016

    • 著者名/発表者名
      Iraklis B, Miyashita E, Onda M, Hosokawa M.
    • 学会等名
      16th Eucarpia Capsicum and Eggplant Meeting P4-03
    • 発表場所
      Kecskemet, Hungary
    • 年月日
      2016-09-12 – 2016-09-14
    • 国際学会
  • [備考] 京都大学農学研究科蔬菜花卉園芸学研究室公式ホームページ

    • URL

      http://www.hort.kais.kyoto-u.ac.jp/

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公開日: 2018-01-16  

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