研究課題
1.植栽適地モデルの構築:北海道内に設置された9試験地の10年次までの樹高データを整備し、多変量ランダムフォーレストで、現在の気候に最適な産地選択を行った場合の樹高成長の改善状況を面的に評価した。本成果は、Forestsに原著論文として掲載された。2.適応的遺伝子の探索:標高適応が予想される15の機能形質について。連鎖地図でQTL解析をした結果、Y(NO)、樹冠面積などで有意なQTLが検出された。QTLに関連するSNPを含む塩基配列を用いて、トドマツのトランスクリプトーム・データベース「TodoFirGene」で機能推定を行った結果、AタイプのARRタンパクが樹冠発達と関連する可能性があることが示唆された。厚岸と美唄のデータを用いてGWASを行った結果、あて材と通常材の割合、樹皮と木部の直径比でアソシエーションが検出された。3.トドマツ天然集団の遺伝解析:EST-SSR19座を用いて、北海道の25集団×50個体の集団遺伝解析を行った。最南端の集団の遺伝的多様性が低く、ドリフトの影響が示唆された。また、遺伝子座ごとにアレル頻度をみると、東西のクラインが検出されたものが認められた。本成果は、Forestsに原著論文として掲載された。4.標高適応に関連する生理・形態形質:標高別見本林8標高40個体程度から枝を採取し、標高クラインのみられる形質を検出するとともに、530m産と1200m産について解剖学的な解析を行い、水分通動性などを調べた。風雪からの物理的刺激に対応するために、形態変異があることが示された。本成果は、Treeに原著論文として掲載された。また、厚岸と美唄の2つの産地試験地のデータを用いて、地理的距離、環境距離が生残と成長に及ぼす影響を評価した結果、自生地の有利性が認められた。本成果は、Ecological Researchに原著論文として掲載された。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
民有林新聞2020年10月22日, 第2579号7ページ目, 「林業試験場の研究成果 国際科学誌に掲載 最適なトドマツ種苗産地を解析」
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Ecological Research
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