研究課題
本課題では、多点送受信計測システムの開発と申請者らが開発してきた地震波・電磁波干渉法および波形解析技術等の導入によって、この技術の高分解能化、高速化そして汎用化を計り、地盤中の流体・物質移動といった動的な現象をリアルタイムで可視化する技術の開発を行う。また農業用施設および農地に関する原位置評価技術としての適用可能性と活用方法について明らかにするために、室内実験および野外実証試験を行う。浸透現象に対して複合的な物理探査技術によって浸透現象が把握できることを実証するために、地盤への浸透実験を実施し電気探査、電磁波探査、弾性波探査の適用とその繰り返し計測によるモニタリングを行った。農業用施設などの実規模の構造物や地盤への適用を想定し、そのような対象でも浸透現象の継続的な監視を行う方法として、人工的な震源を用いることなく自然の振動を用いて仮想的に弾性波探査を実施した時と類似の振動応答を再現する振動波形解析プログラムを、地震波干渉法に基づき開発し、農業用貯水池の浸透に伴う地震波伝播特性変化を追跡できることを実証した。一方で、地盤中に発生する選択的な流れをリアルタイム的に可視化できるよう、地中レーダによる高速なモニタリングシステムを構築し、キャピラリバリアーと呼ばれる選択的な流れを発生させた実験に適用し、実証した。さらに高速にかつ再現性高く浸透現象を可視化できる手法として、アレイ型地中レーダによる多重送受信高速計測を解析する技術を開発し、浸透現象の高速可視化を行う野外実証試験を実施した。以上によって従来主に地盤中の流体・物質移動といった動的な現象をリアルタイムで可視化する技術の開発を行うとともに農業用施設や農地に関する原位置評価技術として適用可能性と活用方法について明らかにするために、室内実験および野外実証試験を行うことができた。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2019 2018 その他
すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 2件)
Journal of Visualized Experiments
巻: 135 ページ: 1-6
10.3791/56847