研究課題/領域番号 |
16H02584
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
今川 和彦 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 教授 (00291956)
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研究分担者 |
李 俊佑 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 助教 (10313082)
櫻井 敏博 東京理科大学, 薬学部薬学科, 助教 (70568253)
永岡 謙太郎 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (60376564)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 子宮内環境 / トロホブラスト細胞 / 子宮内膜 / 遺伝子発現 |
研究実績の概要 |
本申請目的は、妊娠促進のための子宮内環境の構築と再構築である。当初、夏以前からの採材を計画していたが、抽出RNAの「質」に問題があり、これらのRNAは次世代シーケンサー(RNA-seq)解析には不向きであることが判明し、再度の採材が必要となった。また、これまでの外注により明らかにしたRNA-seqデータより、子宮内環境を明らかにするためには遺伝子発現解析だけではなく、発現タンパク質の解析およびメタボローム解析を含め総合的かつ包括的に子宮内環境を明らかにする必要が出てきた。 一方、子宮内環境の精査は当初のRNA-seqデータが活用できることから、新たな採材中やタンパク質の網羅的解析およびメタボローム解析中も進めることができるので初年度に計画した研究は完遂できる。実際、異なるインターフェロンによる効果(Nakamura et al., 2016、Kusama et al., 2017)や、子宮内環境の構築に必須な胚トロホブラスト細胞と子宮内膜細胞の接着の際に起こる、癌の転移時に見られる現象、上皮間葉系転換の遺伝子発現制御解析は初期の計画以上に進めることができた(Kusama et al., 2016、Kusama et al., 2016)。さらに、妊娠のための子宮内環境の構築後に必須な内在性レトロウイルスの胎盤形成に関わる論文を発表した(Imakawa et al., 2016)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
採材したRNAの質がRNA-seq解析に適さないことが判明し、新たな採材が必要となった。しかしながら。これまでの外注RNA-seqより得た遺伝子発現データとウシ胚トロホブラスト細胞・子宮上皮細胞の共培養系を駆使しながら、妊娠のための子宮内環境の構築のための研究は進めることができた(研究発表の項、参照)。
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今後の研究の推進方策 |
新たな採材によるRNA-seq解析だけではなく、発現タンパク質の網羅的(iTRAQ)解析およびメタボローム解析を進めることによって、in vivoの子宮内環境を明らかにすることができるので、妊娠のための子宮内環境の構築と再構築には必須なデータとなる。 このため、次年度ではより詳細な遺伝子発現、タンパク質発現、子宮腔内に存在するタンパク質群、メタボローム解析およびエクソソーム解析を組み合わせることによって、妊娠に必須な子宮内環境成分を明らかにする。
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