Ⅰ.免疫疾患を標的とした各種バイオ製剤・分子標的薬の生体イメージングに基づいた新しいin vivo薬理評価系の構築 (1)骨破壊・皮膚炎症の生体イメージングシステムを汎用化・半自動化 すでに確立している骨破壊・皮膚炎症のイメージング系について、より汎用型のシステムの開発を行う。さらに顕微鏡システムとの連動により、汎用型固定器具に動物をセットした後は、半自動的に観察し、反復的かつ再現性をもって薬剤効果を評価することができる実験系を開発した。(2)マウスの関節リウマチモデルであるコラーゲン誘導関節炎(Collagen-induced arthritis: CIA)を高率に発症する系統であるDBA/1Jに、主にB6系統で作成されている各種免疫細胞標識リポーターマウスを10世代以上戻し交配(バッククロス)し、これを用いてCIA炎症関節における破骨細胞や骨破壊を蛍光標識することに成功した。また手指などの一部の関節組織において、その関節腔内を可視化する系を確立した。さらに、各種生物製剤(抗体製剤など)の薬理作用をin vivoで検証する新規評価系を開発した。 Ⅱ.生体イメージングを駆使した各種薬剤の評価・免疫細胞動態を標的とした新しい免疫薬理の確立 すでに確立している骨破壊・皮膚炎症の生体イメージング系において、種々の薬剤のin vivoにおける薬理作用を検証した。具体的には、骨動態に関しては、ビスホスホネート製剤や抗RANKL製剤,活性型ビタミンD製剤などの骨吸収抑制剤の作用機序を詳細に解析する他、薬効に謎が多いPTHの作用について、破骨細胞・骨芽細胞2重標識系を用いて実体的に解明した。
|