研究実績の概要 |
本年度では研究期間の前半で開発した「生体イメージングによる新規in vivo薬理効果評価系」を用いて、具体的に以下の解析を行った。 1.生体骨関節イメージングによる骨代謝・運動器疾患治療薬のin vivo免疫薬理:本研究で開発・発展させた生体骨・関節イメージングを用いて、種々の薬剤のin vivo薬理作用を検証した。具体的には、、関節リウマチ治療で用いられている抗IL-6R抗体、抗TNF抗体、CTLA4-Igの薬理作用を比較・検討した(Matsuura et al. Ann Rheum Dis, 2018)。さらに、現在開発中のJak阻害剤やその他の薬剤についても、本システムを用いて検証しその機能差別化を行った(現在結果を取りまとめている)。また各種骨吸収抑制剤の薬効を時系列で詳細に評価し差別化を行った(Kikuta et al., JBMR PLus)。 2.生体血管イメージングによる血管作動薬のin vivo免疫薬理:生体内での血管内イメージング系を用いて、種々の薬剤の薬理作用について実体的な解明を行った。具体的にはトロンボモデュリン製剤やその分割したサブユニットが白血球遊走や血管炎症を抑制する作用について動的解明を行った(現在論文投稿中)。 3.生体肝臓イメージングを用いた肝疾患治療薬のin vivo免疫薬理:研究代表者が独自に確立した肝臓イメージング系を用いて、非アルコール性肝傷害(NASH)などに対する種々の治療薬の薬理効果について検証を行った。 これらの研究成果を発表するとともに、国内外での学会活動を通して、本研究者が提唱してきた「in vivo免疫薬理学」の基盤を確立させることに成功した。
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