ヘパリン起因性血小板減少症(heparin-induced thrombocytopenia; HIT)は,抗血栓薬(抗凝固薬)として広く臨床において使用されているヘパリンの重大な副作用であるが,その診断手法の向上が望まれている.今回,免疫学的HIT抗体,機能的HIT抗体の診断性能向上,そして,並行してHIT抗体の血小板活性化機構の基礎的検討を行った. イムノクロマトグラフィ法によるHIT抗体検出キットの開発が進み,近い将来に薬事承認を得るためのデータ取りが可能な段階となる一方,マウスHIT抗体を用いたHITのin vitroモデル系を確立し,機能的HIT抗体検出系の改良に応用した.
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