研究課題
本年度は、RSVについてのコホート研究をフィリピンのビリラン島において継続して実施した。特に2017-2018シーズンには乳幼児への感染源を明らかにする目的で、家族などを対象としたサンプリングも開始したするとともに、これまでのコホート研究で蓄積されたデータの解析を進めた。さらに、フィリピンで得られたデータをグローバルな研究ネットワークと共有しその結果が2編のハイインパクトジャーナルへの論文掲載に至った(Shi T et al. Lancet 2017, Scheltema NM et al. Lancet Glob Health 2017)。モンゴルにおいてもウランバートル郊外のバガヌール地区でのインフルエンザとRSVを対象としたコホートを継続して行った。ザンビアでは、当初の予定より研究開始が遅れたため30年度に予算を繰越し、予定通り30年度にRSVについての遺伝子解析を始めることができた。カンボジアについては研究計画についての議論を継続して行った。
2: おおむね順調に進展している
フィリピンとモンゴルでのコホート研究は当初の予定通り行われ、グローバルネットワークと共有したデータがハイインパクトジャーナルに掲載されるなどした。ザンビアについては若干研究の開始が遅れたが30年度に予算を繰越し、それによって予定通り研究を開始することができた。
来年度は最終年度となるため、これまでに蓄積されたデータの解析および論文化を進めるとともに、フィリピン・モンゴル・ザンビアでの研究を継続するものとする。特に、フィリピンにおいては乳児への感染源を明らかにするための詳細な疫学研究を継続して行う。モンゴルにおいてもこれまで多くのデータが蓄積されているので、これらの解析を進める。ザンビアにおいては、遺伝子解析をさらに進め、論文化を目指す。
すべて 2017 その他
すべて 国際共同研究 (4件) 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 2件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 備考 (1件)
Lancet
巻: 390 ページ: 946-958
10.1016/S0140-6736(17)30938-8
Lancet Glob Health
巻: 5 ページ: e984-e991
10.1016/S2214-109X(17)30344-3.
http://www.virology.med.tohoku.ac.jp/ja/index.html