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2017 年度 実績報告書

クロマチンリモデリング因子による高品質iPS細胞の作製方法の確立

研究課題

研究課題/領域番号 16H02651
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

福田 恵一  慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 教授 (20199227)

研究分担者 國富 晃  慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 助教 (30570882)
湯浅 慎介  慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (90398628)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワードiPS細胞 / ヒストン / 品質
研究実績の概要

人工多能性幹細胞(induced pluripotent stem cell: iPS細胞)は分化細胞に3つまたは4つの転写因子(Oct4,Sox2,Klf4,c-Myc)を導入することにより樹立され、現在iPS細胞を用いた再生医療などが期待されている。しかしながら現状ではマウス、ヒトともに樹立されたiPS細胞の分化能力などの幹細胞の性質・品質は不均一であり、iPS細胞を臨床応用する際に重大な問題点となっている。本研究では卵母細胞特異的に発現し、クロマチンリモデリング因子として知られているリンカーヒストンH1fooをコードしている遺伝子であるH1fooを、上記転写因子とともにマウスおよびヒト分化細胞に導入することで、より質の高いiPS細胞を安定的に効率良く作製する方法を確立する。高品質iPS細胞においては、安定的に高効率の心筋細胞分化が実現され、再生医療の発展に貢献することができる。
iPS細胞の質に関しては、染色体の安定性、遺伝子変異の有無、分化多能性に関して議論がなされてきた。またマウスES細胞並みの高品質ヒトiPS細胞として、naive iPS細胞に関する研究もなされてきた。本研究においては、再生医療の実現を念頭に置き、通常の体細胞からiPS細胞を作製する方法に導入する遺伝子を追加することにより、iPS細胞の品質向上を行ってきた。マウス体細胞においてレトロウイルスベクターを用いてiPS細胞樹立時にOct4、Sox2、Klf4と共にH1fooを強制発現させてiPS細胞を樹立し、同iPS細胞の高品質の確認を行ってきた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

マウス細胞においてレトロウイルスベクターを用いてiPS細胞樹立時にOct4, Sox2, Klf4(以下OSKと記載)と共にH1fooを強制発現させてiPS細胞を樹立する。H1fooをマウス成体尾部線維芽細胞で強制発現させたところ、ES細胞様iPSコロニーの出現を認めた。iPS細胞の樹立効率は非常に高く、また同iPS細胞におけるNanog陽性コロニー数もおおく、高品質なiPS細胞が効率的に作成されていることが示唆された。またiPS細胞のin vitro多分化能の評価として胚様体形成能の比較検討を行い、胚様体数、デジタル光学顕微鏡による胚様体面積の定量測定とそのバラつきについて比較検討を行った結果、ばらつきが少なく一様な分化傾向を示すことが示された。さらなる分子生物学的解析を行い、詳細な検討を行っている。

今後の研究の推進方策

作成されたiPS細胞をコントロールとともに、網羅的遺伝子解析による検討を行い、bioinformatics解析を行い、詳細な分子機序を解明する。また同様の方法がヒトiPS細胞を作製する際にも適応できるかを検討する。同方法で作成されたヒトiPS細胞に関しても、染色体の安定性、増殖能、分化能等を検討し、その品質を確認する。

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公開日: 2019-12-27  

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