研究分担者 |
久保 均 福島県立医科大学, 公私立大学の部局等, 教授 (00325292)
萱野 大樹 金沢大学, 附属病院, 助教 (10547152)
伊藤 浩 福島県立医科大学, 公私立大学の部局等, 教授 (20360357)
小川 数馬 金沢大学, 新学術創成研究機構, 准教授 (30347471)
村山 敏典 金沢大学, 附属病院, 教授 (30378765)
吉村 健一 金沢大学, 附属病院, 特任教授 (30415517)
稲野 彰洋 福島県立医科大学, 医学部, 准教授 (30437933)
織内 昇 福島県立医科大学, 公私立大学の部局等, 教授 (40292586)
若林 大志 金沢大学, 附属病院, 助教 (60622818)
今井 康人 金沢大学, 附属病院, 特任教授 (60720878)
鷲山 幸信 福島県立医科大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (80313675)
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研究実績の概要 |
211Atはハロゲンと類似した化学的性質を持つが、チロシン残基への導入を211Atで試みても反応がうまく進行しない。そこで、αVβ3インテグリンに高親和性の環状RGDペプチドをモデルペプチドとして用い、c[R(Pbf)GD(OtBu)f(4-I)K(Boc)]を合成し、この標識前駆体を211At標識後、保護基を脱保護することにより[211At]c[RGDf(4-At)K]を放射化学的収率37%、放射化学的純度96%以上で合成した。 [211At]c[RGDf(4-At)K]はαVβ3インテグリンに高く結合し、c(RGDfK)の添加により濃度依存的に阻害された。また腫瘍組織にαVβ3インテグリン特異的に集積した。 治療薬の分布をあらかじめ画像で確認するtheranosticsの実践のため、ポジトロン放出核種である68Gaの応用を考え、ガリウムとのキレート部位に1,4,7,10-tetraazacyclododecane-1,4,7,10-tetraacetic acid (DOTA)を選択して、神経内分泌腫瘍で高発現しているソマトスタチン受容体を標的としてドラッグデザインを行った。骨指向性輸送担体と癌指向性輸送担体を同一分子に導入する誘導体作成を試み、[67Ga]Ga-DOTA-TATEと、これにアスパラギン酸ペプチドを導入した化合物[67Ga]Ga-DOTA-(L-Asp)n-TATEを得て種々の検討を行った。 分担者施設の福島医大においては、中型サイクロトロンによる211Atの製造が成熟し、臨床応用可能なレベルの放射能量を得ることができるようになった。臨床応用のための放射線管理、レギュレーションにおけるα線核種取り扱いなどの議論が深まった。また、核医学治療としての臨床POCを取得するプラットフォームを提供できる環境が整った。これらの進捗を、国内外の学会でアピールした。
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