研究課題
特に2021年度、COVID-19によりタイに渡航することはできなかった。これは研究分担者全ての機関により、タイへの調査渡航禁止によった。この研究はタイにある天然林内に入って調査を行う課題であったため、当初の予定通りとはいかず、途中での研究中断を余儀なくさせられた。しかし既存のデータを用いてデータ解析を進めるとともに、ZOOM等のオンラインを使っての研究成果の議論を進めるとともに、タイ政府に提出する必要がある研究報告書の作成、提出を行った。特に2021年度の時点では、COVID-19の収束によりタイでの研究継続の可能性を残していたが、2022年度もタイへの調査渡航の目処も立たないため、このプロジェクトは終了し、タイ政府へも終了届けを出すに至った。このタイ政府への報告書では、主に1)タイの3つの異なった森林タイプごとの林冠葉の生理特性の違い、2)乾季に入る山火事による、火災特性、樹木の水分生理や葉のフェノロジー、土壌呼吸速度に与える影響、3)タイの竹の一斉開花、枯死後の過去13年間に渡る竹のクランプやかんの動態特性をまとめた。これらの研究では、タイの土壌タイプと樹木の生理特性、炭素や栄養塩循環機能が密接に結びついていることを示してきた。このことは、温暖化等による気象変動や、人為圧力の増加による山火事頻度の増加は、タイの天然林タイプと環境との密接な関係を崩し、それにより森林衰退を導く可能性が高いことを示す。また人為的森林火災は2回行うことができ、山火事の特性や、特に森林火災が樹木生理や葉のフェノロジーに与える影響においては今まであまり報告もないデータを得ることができた。また特に竹類の13年にわたる長期モニタリングの結果もまとまることができ、貴重なデータになった。
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (3件) 備考 (2件)
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http://www.ecology.kyoto-u.ac.jp/~atto/Thailand.html
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