研究課題
近年、アジア内陸部の砂漠化とアジアダスト(黄砂)の頻発、それらと共に飛来する大気汚染物質や病原体が国際的な環境問題を引き起こしている。一方ダストの増加に伴う環境破壊は、アジア地区に限定されるものではなく、北アフリカ、中東、南半球諸国においても顕著となっており、全球的な比較検討が必要となっている。本研究において明らかとする点は以下のようにまとめられる。ダストの発生メカニズムとそれがもたらす生態系の非可逆的な破壊について、自然環境の背景や、人間活動のて移動が異なる半球・大陸の湖となる地域で比較検討を行う。考古学研究成果を加え、過去4000年間を対象に、ダストフラックスの変動と人間活動の相互関係に関して、考察を加える。以下、2017年度現地調査の詳細を記す。①新疆ウイグル自治区新疆大学において共同研究を行う予定であったが、新疆大学側の都合により渡航は中止となった。その代り、メールなどによる研究作業を行った。②モンゴルにおいては、モンゴルアルタイにおいて考古発掘に伴う調査、湖沼堆積物掘削調査を行った。現地調査は2017年7-8月のほぼひと月であり、17湖沼の50地点でサンプリングを行った③トルコにおいては2017年5月および7-8月にかけて延べ90日の渡航を行った。トルコ中部のカイセリ周辺における環境変動と考古発掘に伴う現地調査行った。④南半球の調査試料については、約30年にわたり現地調査を継続しているドイツ・グッチンゲン大学Behling Hrmann教授の研究室に渡航して、共同調査分析を行った。⑤湖沼研究の中心となる年縞堆積物の詳細解析に関して、フィンランド・トゥルク大学Timo Sarinen教授の研究室で分析を行った。さらに、本プロジェクトの中間まとめとなる会議を2018年3月東京学芸大学で開催した。モンゴルからの2名の招聘講演者に加えて、10名が参加した。
2: おおむね順調に進展している
2017年度はモンゴル、トルコにおいて現地調査行った。さらに、南半球における湿原堆積物について、その堆積物試料を豊富に収集しているドイツ・グッチンゲン大学において分析を行った。さらに、湿原・湖沼堆積物の詳細な古環境解析のためフィンランド・トゥルク大学に渡航した。また、ウズベキスタンほかの諸国における予備的な試料資料収集を行った。国内では、田沢湖および目潟湖沼群におけるボーリングコア試料について、微化石および化学分析からの検討を行った。それぞれの学術調査の詳細を以下に述べる。①新疆ウイグル自治区新疆大学において共同研究を行った。また、これまでの調査によって立正大学に所蔵されてきたダスト試料の分析を行った。②モンゴルにおいては、モンゴルアルタイにおいて考古発掘に伴う調査、湖沼堆積物掘削調査を行った。調査期間は一か月、17湖沼の約50地点でサンプリングを行った。湖沼堆積物についてはすでに珪藻分析によって、過去4000年間の2回の湿潤期の存在が明らかとなった。③トルコにおいては2017年5月および7-8月にかけて延べ90日の渡航を行った。トルコ中部のカイセリ周辺における環境変動と考古発掘に伴う現地調査行った。④南半球の調査試料については、約30年にわたり現地調査を継続しているドイツ・グッチンゲン大学Behling Hrmann教授の研究室に渡航して、共同調査分析を行った。Behling Hrmann教授とは専門が重ならず、しかも相互に補完できる分析専門となっているため、お互いの研究に利点があることがわかった。⑤湖沼研究の中心となる年縞堆積物の詳細解析に関して、フィンランド・トゥルク大学Timo Sarinen教授の研究室で分析を行った。本プロジェクトの中間まとめとなる会議を2018年3月東京学芸大学で開催した。モンゴルからの2名の招聘講演者ほか10名が参加した。
2018年度も新疆ウイグル自治区、モンゴル、トルコにおいて現地調査を継続する。さらに、南半球における湿原堆積物について、その堆積物試料を豊富に収集しているドイツ・グッチンゲン大学において分析、湿原・湖沼堆積物の詳細な古環境解析のためフィンランド・トゥルク大学に渡航を行う。国内では、田沢湖および目潟湖沼群におけるボーリングコア試料について、年縞堆積物の採取とその詳細堆積環境分析を、前述のフィンランド・トゥルク大学と共同で行う。また、南半球における調査試料を充実するため、南極の沿岸湖沼におけるコア試料(2017-2018採取)の解析を島根大学ほかと共同で進めめる。それぞれの学術調査の詳細を以下に述べる。①新疆大の受け入れ態勢が整い次第渡航を予定している。②モンゴルにおいては、モンゴルアルタイにおいて考古発掘に伴う調査、湖沼堆積物掘削調査を、2018年8月に行う。湖沼堆積物についてはすでに珪藻分析によって、2回の湿潤期の存在が明らかとなっており、これについて遺跡調査結果との詳細な検討を加える。③トルコにおいては2018年5月および7-8月にかけて延べ90日の渡航を行う予定である。トルコ中部のカイセリ周辺における環境変動と考古発掘に伴う現地調査行う。④南半球の調査試料については、約30年にわたり現地調査を継続しているドイツ・グッチンゲン大学Behling Hermann教授の研究室とて、共同調査分析を行う。昨年度の調査で Hermann教授とは専門が重ならず、しかも相互に補完できる分析専門となっているため、お互いの研究に利点があることがわかった。⑤湖沼研究の中心となる年縞堆積物の詳細解析に関して、フィンランド・トゥルク大学Timo Sarinen教授の研究室で分析を行なう。2016年2017年度の開催した国際会議の継続となる国際会議(2018年10月)を韓国において開催する。
すべて 2018 2017 その他
すべて 国際共同研究 (6件) 雑誌論文 (15件) (うち国際共著 9件、 査読あり 15件、 オープンアクセス 12件) 学会発表 (11件) (うち国際学会 7件、 招待講演 3件) 備考 (4件)
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