研究課題
本計画は,コンゴ盆地で近年生じている内戦後の水陸交通ネットワークの変動を,地域の生態学的研究と,広域の流通経済学的研究の視点を統合して捉えようというものである。本年度は研究計画の最終年度であり,これまでの調査で不足していたデータの収集をおこなうとともに,成果本を出版した。まず,8月から9月の現地調査において,内戦後に新たに形作られた森林中の長距離徒歩交易ルートを広域にわたって明らかにした。具体的には,調査地ワンバ地区の南部のイケラ地区に赴き,大きな市場のあるキサンガニ近辺への交易ルートの聞き取りをおこない,キサンガニを中心とした徒歩交易圏の存在を確認した。次に,地域の現金収入源となっている蒸留酒増産のため,森林伐採が加速している状況を明らかにするため,約5キロメートル四方の地域のドローンを用いた詳細な地図作成をおこなった。このデータは今後,GPSのデータと組み合わせつつ分析をおこなっている。フィールドから首都キンシャサに出る途中に訪問したキサンガニ大学において国際セミナーを開催し,これまでわれわれがおこなってきた研究のデータを,現地の研究者と共有し議論した。さらに,帰国途中,ベルギー・テルビューレンの王立中央アフリカ博物館の図書館を訪れ,未入手であった調査地域の民族誌を複数入手した。年度後半は,研究分担者の松浦直毅氏らと本計画を中心とするコンゴ調査の成果をまとめ,本科研費も活用して『コンゴ・森と河をつなぐ -人類学者と地域住民がめざす開発と保全の両立』(明石書店)として出版した。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2020 2019
すべて 雑誌論文 (9件) (うち国際共著 1件、 査読あり 5件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (7件) (うち国際学会 4件、 招待講演 3件) 図書 (2件) 学会・シンポジウム開催 (1件)
African Study Monographs Supplementary Issue
巻: 60 ページ: 5-20
ASC-TUFS Working Papers 2019: Challenges of Development and Natural Resource Governance in Africa.
巻: - ページ: 247-257
ASC-TUFS Working Papers 2019: : Challenges of Development and Natural Resource Governance in Africa
巻: - ページ: 259-278
熱帯農業研究
巻: 13(Extra Issue 1) ページ: 107-108
国際政治
巻: 200 ページ: 23-36
巻: 60 ページ: 21-37
10.14989/250126
巻: 60 ページ: 85-98
10.14989/250129
応答する<移動と場所>―21世紀の社会を読み解く
巻: - ページ: 213-234
生態人類学会ニュースレター
巻: 25 ページ: 23-27