研究課題
ミクロ・レベルの研究として、ラ・カピーヤ遺跡において発掘と出土遺物の分析を行った。同遺跡はパコパンパ遺跡の東300メートル、パコパンパ遺跡の祭祀建造物の中心軸を延長した先に位置することから直接的な関係が以前から示唆されていたが検証できずにいた。結果として、パコパンパ遺跡と同時代に切り石による基壇が築かれたことが確認でき、一体化した祭祀活動が展開されていたと考えられる。さらに、パコパンパ遺跡本体では十分に検証できなかった神殿放棄後の活動の証拠が得られ、アンデス文明最後を飾るインカ帝国並行期の活動も確認された。土器分析については、カピーヤ遺跡出土資料を分析し、編年の構築に役立てたばかりでなく、パコパンパ遺跡の半地下式パティオにおける複数回の饗宴における時間的変化を考察する論文を発表した。権力者の追悼的性格が強い饗宴儀礼の時間的変化を把握するという大きな収穫が得られた。また動物飼育については、ストロンチウム同位体マップを作成するために一昨年採集した現生植物サンプルを解析し、パコパンパ遺跡周辺におけるラクダ科動物飼育の可能性が補強され、さらに遺跡外で飼育された可能性があるサンプルについては飼育地域についての推定も行い、宗教的影響圏の課題に迫ることができた。人骨分析については、2015年に発見した貴人墓の被葬者2体に関する詳細な報告をAnthropological Science誌で発表した。これまで特殊な墓に報告事例が多い頭蓋変形を改めて確認できた点に意義があり、形成期後期にあたる前700年以降に社会的差異が顕著化する点も再確認できた。マクロ・レベルの研究として日本、ペルー、ハンガリーにおいてシンポジウムを組織し、各国の研究者と討議した。とくにペルーでは合計で3回の大規模な国際シンポジウムを組織し、本研究課題の総括を実施した点は、現地でも高く評価され、新聞等でも報道された。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2020 2019 その他
すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (11件) (うち国際共著 9件、 オープンアクセス 4件、 査読あり 4件) 学会発表 (13件) (うち国際学会 8件) 図書 (1件) 備考 (2件)
Richard L. Burger et al. (eds.) Perspectives on Early Andean Civilization in Peru: Interaction, Authority, and Socioeconomic Organization during the First and Second Millennia BC
巻: - ページ: 107, 127
巻: - ページ: 83, 95
巻: - ページ: 129, 148
国立歴史民俗博物館・松木武彦・福永伸哉・佐々木憲一(編)『日本の古墳はなぜ巨大なのか―古代モニュメントの比較考古学』吉川弘文館
巻: - ページ: 54, 69
Anthropological Science
巻: - ページ: in press
10.1537/ase.200218
巻: - ページ: accepted
accepted
Rafael Vega-Centeno and Jalh Dulanto (eds.), Los desafios del tiempo, el espacio y la memora: Ensayos en homenaje a Peter Kaulicke,Pontificia Universidad Catolica del Peru, Fondo Editorial
巻: - ページ: 309-338
古代アメリカ
巻: 22 ページ: 119, 132
Actas del IV Congreso Nacional de Arqueologia
巻: 2 ページ: 7, 15
Actas del V Congreso Nacional de Arqueologia
巻: 1 ページ: 199, 209
古代
巻: 145 ページ: 95, 115
http://www.minpaku.ac.jp/research/activity/project/other/kaken/16H02729
https://www.r.minpaku.ac.jp/sekito/kaken2/index.html