研究課題
本研究は、近年顕在化しつつあるサンゴ礁生物多様性の劣化に焦点を当て、サンゴ礁の生物多様性のマクロ生態学的パターンを明らかにし、空間的保全優先地域を特定することを目的にした。イシサンゴの種レベルの分布情報を、標本情報や目視調査記録などからデータ化すると同時に、国内外(分布情報が不足している東南アジア地域など)で野外調査を実施し、データを収集した。海外での野外調査地域は、フィリピン・ボリナオ(8地点)、インドネシア・スリブ諸島(7地点)、国内では沖縄本島や慶良間諸島や久米島(本部町4地点、恩納村7地点、慶良間諸島8地点、久米島8地点)である。それぞれの地域において、サンゴ礁群集のサンプリング調査を行い、種多様性を評価した。そして、イシサンゴ各種の分布データを整備して種の分布地図を作成し、種多様性の地理的パターン分析と保全重要地域のスコアリング分析を行った。以上の研究に基づいて、マクロスケールでのイシサンゴ種数推定を行い、種数の緯度・経度パターン、多様性情報の不足地域(優先調査地域)を明らかにした。また、イシサンゴ種数分布の分析手法についても、多様性推定理論をもとに検討を行った。これらの分析結果から、イシサンゴ種多様性のホットスポットを明らかにした。一連の成果は、国際ワークショップやセミナーで紹介すると同時に、国際学術雑誌で発表した。さらに、一般向けに、研究成果のビデオを作成して公開した。なお、イシサンゴ種分布パターン情報に基づいた、保全優先地域のスコアリング分析結果については、現在、論文を取りまとめている。また、サンゴの種内における遺伝的多型に関して解析方法を検討し、ミドリイシ属サンゴの一塩基多型解析を海外共同研究者と連携して実施し、その系統関係に関する成果を現在とりまとめている。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2020 2019 その他
すべて 国際共同研究 (6件) 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 3件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件) 備考 (3件) 学会・シンポジウム開催 (1件)
Ecological Research
巻: 35 ページ: 315-326
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https://note.com/thinknature/n/n28da851a4685
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https://www.youtube.com/watch?v=YGYttUt9cYo&feature=emb_title